人には「思い込み」あるもの 「怒り」手なずけ心身症を防げ

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   「バカヤロー。お前そういったじゃないか」と課長が怒鳴る。「言っていません」と部下が反論します。

   「メールを見ろ、書いてあるじゃないか」

   「課長、思い違いですよ、意味が違います」

  • 腹を立てても、いいことは何もない
    腹を立てても、いいことは何もない

水漬けのサルのごとく

   なじりあうこと3時間、JR新橋駅近くの居酒屋風景です。翌朝の職場では2人とも疲れ切った顔で心身不調を訴えます。放置すれば「心身症」と診断されかねません。

   心身症(Psychosomatic disease)とは「心理的なストレスが主に原因となって体の病気になること」をいいます。例えば、過敏性腸症候群や緊張性頭痛などが挙げられます。カーッとなるなどの、情動に影響を与える人間関係ストレスは心身の不調を招きます。仕事のできる人は「腹を立てて」も、問題解決に至らぬばかりでなく仕事の能率や職場の雰囲気を損ねることを知っています。

   旭川医大の並木正義教授はサルを固定し、水に漬けにしてストレスを与えると2、3時間で胃の中に出血性ビラン(ただれ)が発生するという実験結果を発表しています。ストレス社会では「うつ病」が表に出ていますが、「隠れた問題」として休職まで行かない日常的心身の不調があります。

   病院で診てもらっても、先生は「身体的異常所見はありません。ストレスですよ」と言います。ストレスから逃れることのできない現代社会では「水漬けのサルのごとく」心身症になりやすいのです。

意思疎通トラブルは増加の一途

   仕事のできる人たちは、腹を立てないように心身症にならないためのアンガーマネジメント10か条を実践しています。アンガーマネジメントは「怒りイライラをコントロールすること」です。

   そこで桂戴作先生の著書『心身症患者学入門』の「心身症にならないための10か条」をアンガーマネジメントの参考に紹介させていただきました。それは以下のようなものです。

(1)自分を偉いと思わぬこと

(2)背伸びしない、あるがままに

(3)ほどほどに(度を越さぬ)

(4)腹を立てずに横にしよう

(5)セカセカイライラするな

(6)心配事は生かせ

(7)ひがむな

(8)話し合え

(9)不要なことは忘れる

(10)感謝できる自分を作る

   冒頭の居酒屋での課長と部下の会話のように「職場トラブルの原因の80%は意思疎通の問題だ」といわれ続けて30年以上たちます。その間、通信手段はTV電話、メール、フェイスブックなどのSNSと格段に進歩しました。それにもかかわらず「意思疎通問題によるトラブル」「パワハラ」「うつ病」は増加の一途をたどっています。

   心理学には、「思い込み」「期待」「想定」についての分析があります。同じ会話でも受け手の解釈が異なります。ましてやメールなどでは限定している情報しか送れません。

   特に価値観などは、すべての人でそれぞれ異なると言っていいでしょう。意思疎通のトラブルが起きないようにするためには、人にはみな「思い込み」や固有の「価値観」があるということを前提に会話をすることが大切です。

   仕事のできる人はめったに腹を立てることはありません。桂先生の10か条を参考に「腹を立てずに、横にすること」を実践していきましょう。(佐藤隆)

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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