2024年 4月 25日 (木)

月20万円の給料じゃ暮らせない もしかして最低賃金以下では?

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弁護士回答=残業分を計算すると法律違反の可能性も

   最低賃金とは、「最低でもこれ以上の賃金を払ってくださいね」という形で定められた最低限の賃金のことです。最低賃金法という法律によって決まっていることなので、人を雇っている会社などは、最低賃金以上の賃金を払う義務があります。これに違反した場合罰則もあります。

   具体的には、都道府県ごとに額が決まっており、東京では時間額(時給)932円、沖縄では714円などです(2016年10月1日発効)。他にも業種によっても、決まっている場合があります。

   どのように計算するかというと、東京都の最低賃金は、時給932円というような形で決められているので、例えば、1日8時間働くことになっている人の場合は、1日あたりの最低賃金は、932円×8時間で、7456円になります。また、1か月に160時間働く人の場合、1か月当たりの最低賃金は、932円×160時間で、14万9120円になります。

   では、相談者の場合の計算をしてみます。まず、前提として、東京都で、月給制で給料をもらっており、1日8時間労働で、土日祝日休みとします。まず、1か月当たりの労働することになっている時間(これは、残業せずに始業時刻から終業時刻まで働いた場合の労働時間のことであり、「所定労働時間」といいます)を計算する必要があります。

   2016年は、土日祝日が120日あるので、労働日数は、245日あります。そこで、245日×8時間÷12か月=163.33が1か月あたりの所定労働時間となります。すると、相談者の最低月給は、932円×163.33=15万2224円(小数点以下四捨五入)となります。この結果、給料は20万円なので、最低賃金を下回っていないようにも思えます。

   しかし、相談者によれば残業が月に50時間となっており、その分のみなし残業代も含めて20万円をもらっているというので、話が少し変わってきます。

   みなし残業代の計算をすると、932円×1.25×50時間=5万8250円となり、これも合わせると、本来ならば、相談者は21万474円以上の給料を受け取る必要があります。にもかかわらず20万円しかもらっていないのであれば、この会社は最低賃金法に違反している可能性がありますね。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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弁護士法人アディーレ法律事務所 篠田恵里香


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