2024年 3月 29日 (金)

おや「杞憂」日本人の典型かな 仕事を一つずつこなしていけば(江上剛)

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「将来が不安です。平より上になれるのか、結婚はできるのか、老後はだいじょうぶかと考え出すと眠れません」

   「杞憂」という言葉があるのを知っているよね。

   古代の中国に杞という国があって、その国の人が、天が崩れて落ちてくるのではないかと心配で夜も寝られず、食事もとれなかったという故事に由来している言葉だ。

  • 明けない夜はないと思いなおして
    明けない夜はないと思いなおして
  • 明けない夜はないと思いなおして

日本が超高齢社会になったから

   日本人って「杞憂」国民だね。いつも何かに怯えたり、心配したり。ちっとも今を楽しむことを知らない。

   ちょっと前のデータになるけど、2011年の「5年後に生活が厳しくなっているか」というギャラップの調査で日本は楽観の度合いで下位から5番目だった。1位はギリシャ。2011年は東日本大震災があったから仕方がない面はあるけど、日本人は将来に不安を抱く国民なのだろう。

   また厚生労働省の生活のゆとりに関する2016年の調査では、大変苦しい、やや苦しいという人が60.3%もいる。1990年は36.8%、2000年は50.7%だから、毎年順調(?)に不幸だ、ゆとりがないという人が増えていることになる。

   政府がアベノミクスは成功だ、景気は回復していると連呼しても国民の実感はそうじゃない。野党からアベノミクスは失敗したと言われる理由もここにある。

   でも考えてみたら、これも理由がある。日本が「超高齢社会」になったからだ。

   高齢化の定義は、満65歳以上の人が占める割合である高齢化比率が7%超を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」というらしい。日本は2007年にこの比率が21%を超え「超高齢社会」に突入した。今では高齢化比率は26%にもなっている。

   高齢者が多くなれば社会から活力が失せ、将来を悲観するようになるのは仕方がない。やり直しがきかないからね。

   あなたもそんな「杞憂」日本人の典型じゃないのかな?

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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