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京都議定書の来春発効で環境税導入の議論が再燃 -産業界は反対だが現実味帯びる新税-

05/2/ 1
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   環境税の導入に、これまで産業界は猛反対してきた。しかし、京都議定書の発効が決まったことで、新税制の創設は現実味を帯びてきた。
   京都議定書は、二酸化炭素などの温暖化ガス排出量の削減目標値を先進各国に課し、世界規模での削減を目指す国際条約。1997年に採択された。これに先立つ92年には気候変動枠組条約が採択され、世界各国が協力して地球温暖化を防ぐことが決まった。しかし同条約は具体的な目標を示していなかったため、京都議定書で、いつまでにどの国がどれだけの温暖化ガス排出量を削減するのか、数値目標を定めたのだ。

京都議定書の要点

   米国の離脱により発効が危ぶまれていた京都議定書だが、2004年10月にロシア上下両院が批准法案を可決したことで、05年2月16日の発効が決まった。同議定書が発効すれば、日本は2008年~2012年の温暖化ガス排出量を1990年より6%削減する義務を負う。すでに日本の温暖化ガス排出量は同年より5%増えているため、実質的には90年比で11%も削減しなければならない。生産量増加に伴う産業界からの排出量が伸びたほか、家庭や物流分野での排出量も総じて増えている。
   先進各国では温暖化ガス排出量は軒並み増加している。しかし、欧州では石炭を主要エネルギー源としている国が多く、エネルギー使用量を減らさなくても、エネルギー源を石炭から天然ガスに替えることで、温暖化ガス排出量をかなり削減できる。一方日本では、このような燃料転換措置はすでに実施済みのため、エネルギー使用量を実質的に減らさざるを得ない。京都議定書の批准国の中で、数値目標の達成が最も難しい状況にあるわけだ。
    そこで温暖化排出量の削減施策のひとつとして浮上してきたのが環境税である。温暖化ガスの発生源となる石油などに課税し、消費量を抑制する税制だ。炭素の含有量に応じて税額が決まる。


環境税の導入で温暖化ガス4%減と試算


   京都議定書が採択された際にも環境税の導入案が持ち上がったが、産業界が強硬に反対した上、京都議定書の発効の先行きが不透明だったため、導入には至らなかった。
   しかし今回は事情が違う。90年比6%削減という高いハードルを越えるためには、さまざまな手法を駆使して国全体の温暖化ガス排出量を減らさなければならない。環境税の導入を提唱する環境省も鼻息が荒い。
   同省は04年11月初め、環境税の最終案を発表した。電気と石油などの化石燃料に課税するというもので、電気の税額は1キロワット時当たり0.25円、ガソリンは1リットル当たり1.5円。税額は約4,900億円とみられるが、実施時期はっはきりしない。
   環境省は新税の導入が省エネを促進し、課税効果で温暖化ガスの排出量が90年比約4%減ると試算。経済への影響は、実質国内総生産(GDP)0.01%減にとどまる、と見ている。


競争力の低下につながると産業界


   日本の産業界はこれまで、「すでに省エネには相当力を入れてきており、これ以上は厳しい。温暖化ガス排出量の削減は自主的な取り組みに任せてほしい」、と環境税の導入に反対の姿勢を貫いてきた。温暖化ガス排出量を削減すればエネルギーコストも減り、企業にとってメリットがあるが、すでにメリットのある省エネ投資はやり尽くしており、これ以上の投資は経営の負担になる。人件費の高い日本企業でエネルギーコストまで上がれば、国際競争力の低下につながる、というのが産業界の言い分だ。
   しかし、専門家や環境NGO(非政府組織)の中には、コスト削減につながる省エネの余地がまだまだある、と見る向きも少なくない。環境省が新税創設に本腰を入れ始めた現在でも、産業界はまだ導入反対の姿勢を崩していないが、京都議定書という国際的な約束を果たすためには、「自主的な取り組みに任せよ」、との要求はもう通じないかもしれない。

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