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日本の銀行の業績急回復は本物か

05/8/ 1
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日本の大手銀行、業績の急回復は本物か?
日本の大手銀行、業績の急回復は本物か?

   日本の大手銀行の業績が急回復している。だが、これで大手銀行の収益力が回復・拡大軌道に乗ったとみるのは早計だろう。
   06年3月期第1四半期(4−6月)の純利益は、みずほフィナンシャルグループが傘下3子銀行単体合算で前年同期比83%増の2879億円となったのをはじめ、東京三菱銀行が同49.2%増の679億円、三井住友銀行も同13.6%増の1697億円を計上。951億円の赤字だったUFJホールディングスは2子銀行合算で1619億円の黒字に転換した。


不良債権縮小が急回復の最大の要因


   最大の要因は不良債権処理損失の縮小だ。みずほの場合、前年は1194億円を計上したが、それが、今回は58億円に急減。UFJも7400億円から107億円へと劇的に改善した。その一方、企業収益の好転を背景に、融資先の財務内容が改善し、過去に積み増した貸倒引当金からの「戻入れ益」が発生した。みずほ、東京三菱、UFJの3グループでは、不良債権処理損失から戻入れ益を差し引いた不良債権処理収支が逆にプラスとなり、大きく利益を押し上げた。
   しかし、手放しでは喜べない。大手銀行の業務粗利益の約6割を占め、最も重要かつ安定的な収益基盤とされる、預金と貸出金の利回り差による利益、いわゆる「資金利益」をみると、前年同期に比べてプラスとなっているのは、みずほだけ。他グループではUFJが13.9%、三井住友が13.6%落ち込んだほか、東京三菱もほぼ横ばいにとどまっている。企業の借り入れ需要が盛り上がりを欠く一方、競争激化で貸出金利回りがジリジリと下がり続けるなど、経営環境は依然としてほとんど改善されていない。


不良債権が激増する可能性もゼロではない


   激減した不良債権処理損失に関しても、油断はできない。現在、日本の大手銀行の財務内容に関しては、金融監督当局である金融庁がほぼ毎年定期的に検査に入り、銀行の信頼性を担保する仕組みになっている。金融庁の検査で融資先の信用リスク判断が甘い、と指摘されれば、銀行は貸倒引当金の積み増しなど新たな不良債権処理を迫られる。

金融再生法開示債権の推移

   しかし、検査が本格化するのは実は9月から。今後の検査の動向と結果次第では、06年3月期にかけて不良債権処理損失が逆に激増する可能性もゼロではない。実際、三井住友銀行の05年3月期決算では、銀行側が当初4500億円と見込んでいた不良債権処理損失が、金融庁検査でほぼ倍増。結局、最終赤字に転落している。
   融資の焦げ付きや貸倒れなどに伴う不良債権処理損失は、信用リスク管理に手馴れた欧米の優良行でも、貸出残高に応じて0.1−0.2%の割合で発生するとされている。その意味では、60兆円規模の貸出資産を持つみずほの不良債権処理損失が4−6月でわずか58億円という事態こそが、むしろ「異常」といえるのかも知れない。


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