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プラズマテレビ快走 -“独り勝ち”松下電器に死角はあるか-

05/12/21
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   松下電器産業の躍進が続いている。その起爆剤は、今や"松下の顔"となったプラズマテレビだ。

   とりわけ、主戦場である米国市場での価格破壊は凄まじく、半年前まで5000ドル以上していた42インチのハイビジョン対応モデルが、既に3000ドルを切っている。米国での市場シェアは約50%、日本では70%に迫り、2005年9月期中間決算におけるテレビ事業の営業利益は280億円に達した。770億円の赤字に転落したソニーとはあまりにも対照的。かつての"AVの両雄"の明暗を分けたものは何なのか――。
   半導体社――。松下のAV事業のコアとなる社内カンパニーである。松下はこの10年、同カンパニーに人材と設備を集中的に投資し、画像・音声処理の心臓部であるシステムLSIの生産体制を磐石にした。内製化の結果、外注費が削減され、需要変動にも柔軟に対応できるようになったことが、価格破壊を可能にしている。プラズマテレビに限らず、DVDレコーダーやデジタルカメラの好調を支えているのも、このシステムLSIだ。
   翻ってソニーは逆の道をとった。出井伸之前会長の時代、映画・音楽コンテンツ、放送・通信、金融などのソフト化事業に経営資源を集中し、AV事業については外注に頼る水平分業路線をとった。その結果が今の高コスト体質である。既にプラズマテレビは縮小、それに代わる液晶テレビも、肝腎の液晶パネルは韓国・サムスン電子との合弁生産に頼っている。


膨大な販売促進費の負担がずっしり


プラズマテレビは、今や展示会でも「松下電器の顔」
プラズマテレビは、今や展示会でも「松下電器の顔」

   しかし、松下のプラズマテレビ出荷台数は05年度200万台を超えるとはいえ、その売上高はまだ4000億円規模。膨大な販促費投入の負担は重く、連結売上高8兆7000億円の松下を支える事業には至っていない。中村邦夫社長は「薄型テレビ市場でシェア40%を堅持する」と檄を飛ばしているが、その本格普及に向けた勝負はこれからである。
   プラズマテレビは松下の攻勢で日立製作所、パイオニアが脱落しかかっており、事実上"独り勝ち"の状態。松下は今後、1社でシャープ、ソニー、東芝、サムスン電子など液晶テレビ勢との競争に臨まなければならない。が、その重要な時期の06年6月、中村社長は退任が取り沙汰されている。補佐役の戸田一雄副社長も退く見通し。
   次期社長の有力候補は、前述の半導体社の社長を務める古池進専務と、AV事業を統括する大坪文雄専務だが、"ポスト中村"の前途は必ずしも平坦ではない。冷蔵庫、洗濯機など白物家電の好調も合わせて、今のところ、経営に死角がない松下――。たった数年前に「松下はもうだめか」といわれた時とは様変わり。同社の幹部が指摘する。
   「この3、4年の成功体験で社内の危機感は希薄になっている。つまづくとすれば、次期社長が緩みかけたそれを締められないときだ」

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