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“三流ブランド”三洋電機 再建の道遠し

06/2/ 1
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   三洋電機の再建の足取りが定まらない。売却を視野に入れた半導体事業や、AV事業の提携先は明確になっておらず、またオーナー一族の前会長、井植敏代表取締役の進退に対する批判も社内外で高まっている。現経営陣がこのまま赤字事業を引きずれば、2006年度の黒字転換も画餅に終わりかねない。

   05年末に、米ゴールドマン・サックス、大和証券SMBC、三井住友銀行による約3,000億円の増資引き受けが決まり、とりあえず、監査法人が示した企業継続の疑義は解消されるが、本業の構造改革はなお課題山積だ。
   「結局、自らのブランドを大事にしてこなかったツケが回ってきた格好だ」


半導体、AV、白物家電など軒並み不振


三洋電機の構造改革はなお課題山積だ
三洋電機の構造改革はなお課題山積だ

   05年11月18日に発表された三洋電機の中間決算――。通期の連結最終赤字が過去最大の2,330億円へ拡大し、しかも、2度目の下方修正が明らかになった際、同業他社からはこんな声が上がった。2期連続の大赤字は、直接には新潟県中越地震の被害にあった半導体工場の減損損失、在庫評価損が膨らむ結果だが、それだけが理由ではない。半導体、AV、白物家電などの事業が軒並み不振なのだ。
   中間決算と同時に発表された中期経営計画では、「総合家電」の看板を下ろし、冷凍ショーケース、デジタルカメラ、携帯電話、リチウム電池の4事業を中核とする方針が打ち出された。これらは90年代後半、松下電器産業やソニーに比べ見劣りする自社ブランドに見切りをつけ、OEM供給や部品供給で収益を拡大させた製品群だ。しかし、ITバブル崩壊後の価格競争の中で埋没し、一方、肝腎の最終製品の三洋ブランドはさらに競争力を失った。


中国企業にしか相手にされない


   中計発表の際、05年中に明確にするとしていた半導体、AVの提携先はみつからず、ようやく白物家電で中国の家電大手、海爾(ハイアール)集団との合弁提携が検討されている程度。逆に言えば、「三流ブランドと提携、または買収しようとする日本企業はなく、せいぜい日本市場進出を狙う中国企業にしか相手にされない」(家電メーカー幹部)ということだ。
   さらに井植敏氏が招いたジャーナリスト出身の野中ともよCEO、敏氏の長男である敏雅社長、2人の経営手腕に対する不安が社内の求心力を低下させている。
   90年代後半、敏氏に率いられた三洋電機はOEM戦略で成長し、当時、リストラ中だった松下電器の株価を上回った。しかし、松下電器が雌伏の時にシステムLSIなど半導体事業を強化し、それをベースにプラズマテレビをはじめとするAV事業を飛躍させたのとは対照的に、三洋電機は自社ブランドへの先行投資を怠ってしまった。その責は敏氏にある。
   6%台に低下した三洋電機の株主資本比率は、約3,000億円の増資により16%程度まで回復する見通し。払い込みが完了する3月、オーナー代表取締役の敏氏は"けじめ"の時を迎えることになる。


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