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不正の「温床」 損保特約見直し

06/9/15 コメントを見る・書く
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   保険金不払いが続出した損害保険業界で、不祥事の原因のひとつとなった「特約」を見直す動きが広がっている。し烈な営業競争の過程で特約を増やし過ぎ、複雑になった保険金の支払いに対応できなくなったためだ。

   あいおい損害保険は、自動車保険の特約6種類の販売を2006年10月から停止する。事故相手を見舞う際の手土産代など不払いを招いた特約を排除し、再発防止につなげる狙いだ。


営業の常套手段として、業界全体に広がった


写真中央が損保ジャパン本社。損保業界では「特約」を見直す動き広がる
写真中央が損保ジャパン本社。損保業界では「特約」を見直す動き広がる

   日本興亜損害保険は主力の自動車保険を全面的に刷新し、06年9月から「カーBOX」の商品名で売り出した。利用者アンケートの結果、「必要ない」との声が多かった特約を削った結果、従来45種類あった特約は24に減った。
   業界トップの東京海上日動火災保険も特約の半減を目指し準備中。ニッセイ同和損保など他の大手も追随する構えをみせている。

   特約とは、保険の主契約に追加できる「オプション」のこと。組み合わせによって補償範囲を広げたり、保険料を分割払いにするなど契約内容の変更ができる。その数が急増したのは98年の保険料率自由化以降。激しい顧客獲得競争を繰り広げる損保各社にとって、開発が容易な特約は格好の宣伝材料だった。
   大手損保幹部はJ-CASTニュースに対し「『業界初』と銘打ってPRすれば、確実に契約が伸びた。営業の常套手段として、瞬く間に業界全体に広がった」と打ち明ける。主契約と特約の組み合わせは「あまりに多く、総数がどのくらいあるか、職員ですら把握できない」ほどだという。
   一方で、支払いシステムの開発はおざなりにされ、そのツケが26社で計18万件、84億円(05年秋時点)という保険金不払いとして表面化した。


特約開発合戦のしわ寄せを受けた契約者


   (1)自分がどの特約に入っているか気付かず、請求し忘れたために十分な保険金を受け取れなかった(2)一般の傷害保険とほとんど同じ内容の自動車保険特約を勧められ、結果として保険料の二重払いを強いられた−−。こんな事例も少なくないといい、契約者が特約開発合戦のしわ寄せを受けている格好だ。

   金融庁は06年8月、損保各社に不払いの実態を調べ、9月末までに同庁に報告するよう指示した。損害保険ジャパンや三井住友海上火災保険で新たな不払いが発覚し、一部業務停止命令を受ける事態に発展したためだ。他社でも状況は似たり寄ったりといわれ、不払い総額は業界全体で100億円を超える可能性もある。
   そうなれば、さらに深刻な損保不振を招くのは確実だ。遅ればせながら始まった特約削減の動きには、こうした事態に「予防線」を張り、顧客重視への回帰の姿勢をアピールする意味もあるようだ。

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