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クライスラーの分離検討 日本勢は救済に及び腰

07/2/19 コメントを見る・書く(5)

   「世紀の企業合併」騒がれた米独の自動車大手メーカー同士の経営統合から9年。ダイムラークライスラーは、深刻な業績不振に陥った北米クライスラー部門の再建を、分社化を視野に入れながら進めることになった。世界の自動車産業の国境を越えた再編の号砲となった合併劇だったが、十分な統合効果が得られないまま、クライスラーは重大な岐路に立たされた。


分離に向けて流れが傾いている


クライスラーは重大な岐路に立たされている
クライスラーは重大な岐路に立たされている

   ダイムラーがクライスラーの売却にまで踏み込むかどうかは不透明だが、新たな資本提携を含め、「何か動きはあるだろう」(張富士夫・日本自動車工業会会長)と、日本の業界関係者も新たな再編の端緒となるか注目している。ただ欧州の巨人であるダイムラーすら再建に手を焼いただけに、日本では様子見ムードが強く、クライスラーの救済、買い取りに日本車メーカーが積極的に名乗りを上げる可能性は低いとみられる。
   2007年2月14日発表された決算によると、クライスラー部門は大型車の販売不振が響いて11億1,800万ユーロの営業赤字。同時にリストラ策も発表され、クライスラー部門は09年までに米国内の2工場を閉鎖し、年間40万台の生産能力を削減。全従業員の16%に当たる1万3,000人を削減する。また低 燃費車の開発や車種の刷新を行い、08年までの黒字回復を目指す。

   ダイムラーは、クライスラーの分離や他メーカーとの提携について「あらゆる選択肢を否定しない」と表明した。14日の独経済誌は「ダイムラークライスラーのツェッチェ社長が、米ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長と売却の交渉を始めた」と報じるなど、流れは分離に傾いている。


候補としては、GM、現代自動車、日産自動車・仏ルノー?


   新たな提携相手の候補としては、現在はGMが有力候補の一番手になっている格好だが、海外メディアでは、現代自動車、日産自動車・仏ルノー連合も候補に挙がる。カルロス・ゴーン社長は、07年3月期連結業績見通しの下方修正を発表した2月2日、「客観的にみて根拠のないうわさだ」と否定した。日産・ルノー連合は06年夏にGMと提携協議を行ったが、結局は破談になった。現在は日産、ルノーとも販売不振による業績低迷が深刻化。経営の立て直しが急務とっているなど、状況は大きく変わっている。ゴーン社長は「日産とルノー以外のところに注意を払うつもりはない」と言い切った。

   自工会の張富士夫会長も15日の定例会見で、再編の可能性には言及したが、一方では「もう少し推移をみる必要がある」と、事態を静観する姿勢を示し た。張氏が会長を務めるトヨタ自動車は国内外のメーカーと環境技術での関係強化は活発に行っているが、「会社同士の合併となると、互いの企業文化が融合できるのかといった問題や、相性が大事になる」と述べた。


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