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春闘本格復活 トヨタの「百円玉」に注目

07/2/26 コメントを見る・書く(6)
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   自動車業界の春闘がスタートした。今年も、2007年2月14日、トヨタ、日産、ホンダなど自動車労組が経営側に要求書を一斉に提出、1カ月後の3月14日に回答を引き出す。今春闘のポイントは月例賃金(月給)の引き上げ要求に経営側がどう応じるか。一時金(賞与)も高水準の要求が相次いだが、月例賃金は所得の基盤であるだけに重みが違う。ことに、06年を上回る1,500円をめぐる攻防になるトヨタに注目が集まる。


「理屈抜き賃上げは、良いとは言えない」


トヨタの労使交渉に注目集まる
トヨタの労使交渉に注目集まる

    「自動車産業を取り巻く経営環境が昨年と変わっていないなかで、2年連続"理屈抜き"で要求に応えることは、経済の状況から見ても、良いとは言えないのではないか」―トヨタの木下光男副社長は要求を受けた14日の記者会見で、賃金改善分1,500円の受け止めをこう語った。
   理屈抜きとはこういうことだ。自動車業界では02年に、ほとんどの労組が経営側からゼロ回答を突き返される「ベア(ベースアップ)ゼロショック」が起きた。経済不振とデフレが続くなか「ベアなど論外」との経済界の主張が通り、以後05年まで3年にわたり日産など一部を除き自動車メーカー労組は月例賃金の引き上げ要求を控えてきた。
   要求がないのだから交渉もない。もっぱら月例賃金の制度維持分(簡単に言えば先輩が前年にもらった額を後輩が受け取れる賃金カーブ=かつての定昇)確保と一時金の獲得が焦点となり、会社が過去最高の業績を上げるかたわら春闘は一向に盛り上がらない年が続いた。
   一変したのが06年。4年ぶりにトヨタなどが賃金改善分1,000円を要求。”働きの差も勘案せず一斉に上がる”イメージが嫌われた「ベア」の名称こそ消えたが、これに相当する賃金改善分がついに復活した。


去年より少しでも上がれば賃金相場を動かす


   06年、トヨタが賃上げに応じた背景には、我慢を重ねた要求をはねつければ全社的なモチベーションダウンにつながるとの危惧があった。人手不足のなか、輸出好調によるフル生産を支える現場に報いる結果となったが、「理屈抜き」の言葉に表れたとおり生産性向上などの明快な根拠から導かれた妥結ではなかった。
   今年はどうか。トヨタ労組の鶴岡光行執行委員長は労働の質に報いるべきという従来の考えに加え「賃上げの意義や必要性を労使で認識し議論を尽くしていくことが、日本経済に対するトヨタ労使の社会的役割」と賃金の社会性を訴えた。
   世界最強の製造業と言われるトヨタ労使が社会性を意識するのはもっともなことではある。100円玉でも去年より上がれば賃金相場を動かす。横並びは崩れたとはいえ影響力は大きい。

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