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増配に企業買収策 外資系ファンドの株主提案が急増

07/5/17 コメントを見る・書く(6)
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   外資系ファンドなどが上場企業に対し、配当の大幅な増額や企業買収防衛策について株主提案を行うケースが急増している。2007年2月には東京鋼鉄の臨時株主総会で、ファンドの反対によって企業統合案が破談に追い込まれる事態も生じた。6月の株主総会ピーク時を前に、経営者の緊張感は高まりそうだ。


サッポロの新防衛策の導入阻止を主張


   サッポロホールディングスの買収を提案している米系投資ファンドのスティール・パートナーズの動きが激しい。
   07年3月のサッポロの定時株主総会では、サッポロが導入を目指した新しい買収防衛策に対し、スティールは「株主の判断の機会を奪う」などとして、導入を阻止するための委任状集めを展開した。スティールの主張は通らなかったものの、委任状を含めて3割以上の反対票を獲得した。サッポロ経営陣にとっては、今後の買収提案動向を含めて予断を許さない状況が続くことになった。

   スティールはまた、アデランスにも買収防衛策の廃止を求める提案をしたほか、江崎グリコに配当を30円にする大幅増配を要求した。グリコはスティールの要求そのものは拒否したものの、07年3月期の年間配当を、従来計画の10円から15円に増額することを新たに発表した。スティールの要求に促されて増配に踏み切るしかなかった経営陣の苦悩がうかがえる。
   このほかにも、英ザ・チルドレンズ・インベストメントが中部電力などに、米フルサ・オルタナティブ・ストラテジーズがノーリツに、と相次いで増配を要求している。楽天もTBSに買収防衛策の導入基準の厳格化を求めている。


「株主価値向上」を要求、個人株主も支持


   株主提案が増加している背景にあるのは、企業寄りの安定株主の持ち株比率が低下し、その分、外国人投資家の持ち株比率が拡大したことだ。外国人投資家は積極的に株主価値の向上を求め、個人株主もそうした動きを支持する場合が増えてきた。
   実際、東京鋼鉄の株主総会では、投資ファンド「いちごアセットマネジメント」の反対で大阪製鉄との統合議案が否決されたが、実はいちごアセットの持ち株比率は10〜15%程度(当時)に過ぎなかったとされる。いちごアセットは多くの個人投資家の支持を集めて議案の否決に成功したのだ。サッポロの防衛策の是非でも、スティールの持ち株比率は約18%だったが、個人投資家の支持を得て防衛策導入に反対した票は3割になったとされる。

   株主提案攻勢をかけるファンドの狙いはさまざまとみられる。
   大阪製鉄の親会社である新日本製鉄の三村明夫社長は「いちごアセットは統合計画発表後に東京鋼鉄株を買い始めている。価格をつり上げて売り抜ける意図だったのではないか」と述べている。ファンド同士の競争激化で、ファンド側も高い利回りを迫られ、楽ではないのだ。
   しかし、市場関係者の中には、「経営者が企業価値を高めるための適切な方策を示さない場合、ファンド側の提案に合理的な理由があれば個人株主の賛同が集まることは現実的だ」との声も多く、経営者の姿勢が問われているといえる。

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