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テーオーシーへのTOBもMBOも失敗した理由

07/8/ 1 コメントを見る・書く(1)
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   不動産投資ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズが、ホテルニューオータニ系の不動産会社テーオーシー(TOC)に対して実施していた敵対的な株式公開買い付け(TOB)が失敗に終わった。ダヴィンチ側がTOB期限の7月23日直前まで成立に自信を示しており、成立すれば、上場企業に対する敵対的買収としては国内初めての成功例になるとあって注目を集めた。だが、結果的にはTOCの創業家一族による抵抗が奏功した。


TOCの経営陣による自社株買収(MBO)がきっかけ


   そもそもダヴィンチのTOBは、TOCの経営陣による自社株買収(MBO)がきっかけだった。
   TOCの経営陣は4月、1株800円でMBOを開始した。これに主要株主であるダヴィンチが「価格が安すぎる」として反発し、5月に1株1,100円で対抗TOBを始めたのだ。その株価がMBO価格を大幅に上回ったこともあって、MBOは失敗した。

   一方、ダヴィンチはその後、買い付け価格をさらに引き上げるなどしてTOBの成功に努めた。これに対してTOCの創業家などは株式を買い増すなどして徹底的に抵抗。TOCの取引先の金融機関などもTOBに応じず、ダヴィンチは成立条件だった株式45%の取得ができなかった。
   経営陣と買収者の「痛み分け」で終わった形だが、この一連の買収劇は株主の利益を軽視した安易なMBOに疑問を投げかけたといえる。


「経営陣に都合のいい買い付け価格」という不満


   MBOは株式を非公開にすることで、経営陣が経営の自由度を高められるという効果をもつ。M&A(企業の合併・買収)の拡大に伴い、国内でも90年代から企業防衛のためにMBOが活用されるようになった。最近では外食大手の「すかいらーく」や、焼き肉チェーン「牛角」を展開するレックス・ホールディングスなどの例がある。
   だが、買い手が経営陣と同一であるため、経営陣が価格を操作できる可能性もあり、買い付け価格が争点になることも多い。

   TOCの経営陣も、MBOで株式を買い占めて非公開とすることにより買収から防衛を図るという側面があったようだ。しかし、ダヴィンチの反発に象徴されるように、「経営陣に都合のいい買い付け価格ではないか」との株主の不満や疑念も少なくなかったとされる。
   MBO不成立は経営陣によるMBOの姿勢に対する市場からの警告でもあり、経営陣は株主の利益向上に敏感に対応する必要性を示している。
   一方、ダヴィンチのTOBも成立しなかったことも重い意味を持つ。TOBの買い付け価格が実際の株価を上回っていながら、応募しない株主が多数を占めた。この事実は、ダヴィンチも株主に十分な説明責任を果たしていなかったという、企業の根本姿勢が問われたことを示すものといえる。


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