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見知らぬ人と「抱き合いたい」 「フリーハグ」日本で流行するか

07/9/16 コメントを見る・書く(41)
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   街角で、通りすがりの見知らぬ相手と抱き合う「FREE HUGS」(フリーハグ)、という活動が話題になっている。「ユーチューブ」に画像が投稿されたことをきっかけに世界中に広がったようなのだが、日本でも「ミクシィ」(mixi)に60を超えるコミュが登場、その活動が綴られている。しかし、日本には「ハグ」をする風習などなかったはず。なんでこんなに「抱き合いたい」人が増えたのだろうか。


女子中学生三人に「えー、ありえない」


ユーチューブでも「フリーハグ」は注目されている
ユーチューブでも「フリーハグ」は注目されている

   「FREE HUGSS」が広まったのは、オーストラリアのJuan Mann氏が2004年に、「FREE HUGS」と書いたプレートを持ち、街を歩く姿を「ユーチューブ」に掲載したのがきっかけと言われている。その後、オランダ、アメリカ、スコットランドなど各国の「FREE HUGS」の模様が「ユーチューブ」にアップされていく。06年9月22日に投稿された「Free Hugs Campaign」は、07年3月27日に発表された「YouTube・アウォード・2006」で「Most Inspirational」(最も心に強く訴えたビデオ)賞を受賞。07年9月7日までに1770万回も閲覧されている。

   「FREE HUGS」のやり方は、「FREE HUGS」と書いたボードを掲げ「ハグ」してくれる相手を待つ。突然抱きついたり、異性のお尻を撫で回したりするのは反則で、あくまで相手との合意のもとで行わなければならない。やさしく抱き合うことによって温もりを感じ、優しい気持ちになり、何か生きる希望のようなものが湧いてきたり、辛いことを忘れさせてくれたりするのだという。

   「ミクシィ」で「FREE HUGS」コミュを検索すると60以上も見つかる。「FREE HUGS関係のコミュがどんどん地域細分化しているので、山梨でも立ち上げてみました」などというカキコミもあり、全国レベルで広がっているのだ。そしてコミュの掲示板にはこんなことが書かれている。

「ハグしてみんな仲良くなれたらいいね〜! ハグしてくれる?」
「人間、捨てたもんじゃないっ!!人ってあったかいね」
「生きてたらいい事ばっかりじゃないけど、この活動で、もしかしたら一生関わる事がなかったかもしれない人と、たった数分関われただけで生きてて良かったって思えるかもしれない…今よりもっと頑張れるかもしれない」

   しかし、「ハグ」の習慣のない日本で、誰もが「FREE HUGS」を簡単に理解してくれないようで、「コミュ」のカキコミの中には、

「さっき、おじさんに女の子がこんなことを道端でするんじゃない。と怒られました」
「HUGって、してみたいとは思っても日本だとちょっと・・」

というものもある。

   中日新聞は07年9月6日付の電子版で、新人男性記者が体験取材したレポートを掲載した。金沢市内で記者がボードを掲げると、早速、相手が見つかった、と書いている。しかし緊張し、抱き合うと、相撲の「がっぷり四つ」のようになったそうだ。その後は冷ややかな反応ばかりで、警備員が近づいてきたり、遠巻きに眺めて笑う人はいても、近づく人はいなかったという。

   遠巻きに女子中学生三人が様子を眺めていたため、話を聞くと「怪しかった」「ヘンタイかと思った」。逆に、「フリーハグって、誰とするの」と質問され、記者だと答えると「えー、ありえない」と笑われたそうだ。結局、5時間近くで男性5人とハグしたが、「人目が厳しかっただけに、応じてくれた人たちの温かさで満たされた」と書いている。


ネット社会の中で「温もり」に飢えている?


   精神科医の和田秀樹さんはJ-CASTニュースの取材に対し、「ハグ」の文化がない日本の若い世代で、「FREE HUGS」が話題になっているのは、ネット社会の反動ではないか、と説明する。つまり、メールのやり取りなどがコミュニケーションの中心になり、「温もり」に飢えているのでは、というわけだ。

   バーチャルな世界だと本来の愛情を確認できないし、深い付き合いができない。喜びを分かち合えもしない。例えば、受験に合格したとしてメールで「おめでとう!」と返されれば嬉しいことは嬉しいが、直接会って「ハグ」してもらったり、「バンザイ!」してもらわないと、本来の「やったぜ!」という感覚にはならない、という理屈だ。

   一方、海外では「ハグ」の文化があり、落ち込んでいる人などをボランティアで「ハグ」し元気付ける。「ハグ」の文化がない日本で、見知らぬ人との「FREE HUGS」が根本的な心の空白を埋めることになるかは疑問だとし、「FREE HUGS」が一過性のものなのか、それとも定着するのか、見守って生きたい、と和田さんは話している。

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