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日産、クライスラーへ小型車供給 将来、買収に名乗り上げる?

08/2/ 6 コメントを見る・書く(3)
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   日産自動車は、米クライスラーに対し、小型車を2009年から供給することで合意した。クライスラーは自社ブランド車として南米で販売する。日産が米自動車大手に車両を供給するのは初めて。日産は課題の北米事業の強化に向けて一歩踏み出した形で、カルロス・ゴーン社長が念願としている北米でのパートナー探しでも憶測を呼んでいる。


北米事業のてこ入れは長年の懸案だった


「ティーダ ラティオ」をベースにした車がクライスラーに供給される
「ティーダ ラティオ」をベースにした車がクライスラーに供給される

   日産が供給するのは、北米向け「ヴァーサ セダン」(排気量1800cc、日本名ティーダ ラティオ)をベースにした小型車。ヴァーサは日産メキシコ工場で生産されており、クライスラーへの供給でメキシコ工場の稼働率を引き上げ、製造コストの抑制を通じて北米事業の収益向上を図る。

   一方、米投資会社サーベラスの傘下で経営再建中のクライスラーは、手薄な小型車を拡充し、新興市場の南米で販売を伸ばしたい意向だ。南米は、クライスラーと日産の競合も少なく、日産のタバレス副社長は「提携に満足している」とのコメントを発表した。

   日産にとって、北米事業のてこ入れは長年の懸案だ。日産の2007年の米国市場での新車販売台数は前年比4.8%増の106万8238台。米国市場全体はガソリン価格の高騰や低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で冷え込んだが、日産は低燃費のヴァーサなどが堅調だった。

   それでも日産の力不足は否めない。米国での販売台数はトヨタ自動車の約4割、ホンダの約7割に過ぎない。仏ルノーと提携し、日本と欧州に基盤を持つ日産には北米事業の強化が急務で、ゴーン社長の目標でもある。

   ゴーン社長は2006年、米ゼネラル・モーターズ(GM)との資本提携交渉に臨んだが、破談に終わった。日産は2007年3月期決算ではゴーン体制下で初の減益に陥り、経営立て直しを優先する姿勢を示してきた。ただ、ゴーン社長は「北米のパートナーは必要」との考えを繰り返し表明してきたため、クライスラーとの提携交渉が最初に報じられた時は「本格提携の布石」との観測も流れた。


クライスラーの再建が軌道に乗れば、サーベラスはクライスラーを売却


   ただ、クライスラーとは資本提携には踏み込まず、限定的な提携にとどめた。クライスラーは、独ダイムラーから米サーベラスに売却された後も販売が低迷し、2007年の年間決算は16億ドル(約1700億円)の赤字に陥るとの指摘も出ている。日産が現段階で本格提携に踏み込むと、大きなリスクを抱えかねず、クライスラーの経営再建の行方を見定める考えもあるとみられる。

   ただ、クライスラーの再建が軌道に乗れば、サーベラスはクライスラーを売却して、投資資金の回収に動く可能性が高い。その時は日産がクライスラー買収に名乗りを上げることも予想され、今回の提携は将来の業界再編の芽となるかもしれない。

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