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「美味しんぼ」父と息子 「突然」和解の陰に作者の苦悩

08/5/13 コメントを見る・書く(26)

   人気マンガ「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎と、確執関係にあった父親の海原雄山が「突然」和解した。「ビッグコミックスピリッツ」2008年5月26日号の話で、これによってマンガは一種エンディングといってもいい「区切り」を迎えた。原作者の雁屋哲さんは自身のブログで「何も案が浮かばない」「初期に比べだいぶ質が低下している」と書き、編集部には以前から「一区切り」付けたいと申し出ていた。


編集部には以前から「一区切り」を申し出ていた。


「私が一番恐れるのは、作品の質の低下」と雁屋さん
「私が一番恐れるのは、作品の質の低下」と雁屋さん

   雁屋さんは、08年5月11日、12日のブログ「美味しんぼ日記」で、「スピリッツ」が発売される08年5月12日は「特別な日」になる、と書いている。雁屋さんは、この日を晴れ晴れとした気持ちで迎えていることがブログからうかがえる。

   25年という長期連載と、高い人気を維持するのはさすがにこたえたようで、かつては読者が興味を示した知識などは今では常識。自分より遙かに沢山の知識を持った若い人が増え、

「以前は机に向かうと、独りでに案など出て来た物だが、いまは体中逆さにして振っても何も出て来ない。脳みそが空っぽになったというのか、硬直してしまったというのか、何も案が浮かばない」

などと書いている。連載初期に比べると作品の質が低下してきた、とし、「スピリッツ」の編集部には以前から「一区切り」をつけたいと申し出ていた。しかし、なかなかOKがでなかったそうだ。

   また、「美味しんぼ」を連載する中で食品業界批判をしてきたが、「倫理観念のない業者、会社が多すぎる」とも書いている。食品業界は「美味しんぼ」での批判を受け入れず、誤魔化すばかりか、雁屋さんを攻撃してきたからだ。


「美味しんぼ」は完全に終わってしまうわけではない


「もっと厳しく追及したかったのだが、力不足で及ばなかったのが残念だ。一漫画原作者の力は所詮カマキリの斧程度の物でしかなく、相手は本物の巨大な斧を振りかざしてやって来るのだから、勝負にならない。善戦すれども及ばずと言うところだ(中略)もう一寸踏ん張るべきだったと、そこの所が口惜しい」

と、自分への反省も綴っている。

   ただし、25年で489話、単行本102巻と続いた「美味しんぼ」が完全に終わってしまうわけではないという。「日本全県味巡り」の企画は続け、「食の安全」など意味のある主題に出会えば単行本を作るのだという。これまで「美味しんぼ」の単行本は年間4冊出してきたが、「日本全県味巡り」を中心にして、「美味しんぼ」関連の本を年に2冊出せればいいと考えているのだという。

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