エコ・ファースト制度
エコ・ファースト制度とは、業界のトップランナー企業の環境保全に関する行動を、さらに促進していくため、企業が環境大臣に対して、自らの環境保全に関する取り組みを約束する制度。
1:京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策をはじめとして、環境保全に関する目標を明示し、かつ目標やこれを実現するための取り組みが、業界のトップランナーとしての先進性・独自性を有するものであること2:全国の模範となるような環境保全に向けた取り組みであること3:約束された取り組みの進捗状況の確認を行う仕組みが設けられ、環境省への報告または公表が行われること――を、約束した企業を「エコ・ファースト企業」に認定、「エコ・ファースト・マーク」の使用を認める。
認定企業にはビックカメラ、積水ハウス、ライオン、キリンビール、滋賀銀行、びわこ銀行、三菱自動車、日産自動車などがある。
(出典:環境省)
クリーン開発メカニズム(CDM=Clean Development Mechanism)
温室効果ガスを削減するため、京都議定書(第12条)で設置されたメカニズムのひとつ。先進国が開発途上国内での温室効果ガスの排出削減のプロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量のクレジットを投資国(先進国)とホスト国(開発途上国)とで分け合う仕組み。国連のCDM理事会が、排出権(CER)の発行などを電子データの登録簿で管理する。
投資国(先進国)、ホスト国(開発途上国)とも京都議定書の締結国であること、またDNA(指定国家機関=Designated National Authority)の承認が必要で、たとえば日本の企業が進出していても、台湾やカザフスタン、トルコなどは締結国ではないのでCDMのメカニズムは活用できない。また投資国(先進国)では、米国は京都議定書を批准していないので活用できない。
(出典:国土交通省、環境省)
ナショナルトラスト
多くの市民や企業から広く資金を募り、豊かな自然環境の保護や、価値の高い歴史的な建造物を取得し管理しながら、将来に引き継いでいくことをめざした環境保護活動。野生の生き物やその棲家を確実に守る有効な手段。
1895年に英国で発足したナショナルトラスト協会による運動が有名。日本では、北海道斜里町による「しれとこ100平方メートル運動」や、和歌山県田辺市の「天神崎保全市民運動」が知られている。日本の最初のナショナルトラストは神奈川県鎌倉市。1964年、鶴岡八幡宮の裏山である「御谷(おやつ)の森」に宅地開発がもち上がり、市民が募金活動に取り組んで寄付金900万円を集めた。これに鎌倉市が600万円をあわせ、1500万円で1.5ヘクタールの土地を買い取り、森を守った。現在は50団体以上が、それぞれの地域・風土に根ざして環境保全の普及と啓発、教育、まちづくりなど多岐にわたる活動に取り組んでいる。
(出典:日本ナショナル・トラスト協会)
バイオセーフティ
遺伝子組み換え生物(LMO=Living Modified Organism)が、生態系や生物多様性に悪影響を及ぼさないように講じる措置、あるいは考え方。
遺伝子組み換え生物とは、一般的には近代的なバイオテクノロジーによりつくられたものをさし、伝統的な品種改良や接ぎ木によるものは含めない。
食料などの円滑な供給とのバランスを考慮する必要が生じており、ザンビアがLMOを理由に国連からの食糧援助を断わるなどの問題も生じている。オーストラリアやカナダ、アメリカなどの遺伝子組み換え作物の輸出国は、貿易規制に反対、EU諸国は安全性を重視するよう主張している。
また、「生物の多様性に関する条約」でもLMOの取り扱いが規制されており、締結国会議において「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が2000年に採択。2003年、日本も議定書を実施する法律である「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」を制定している。
(出典:環境省)
京都議定書
1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約」の第3回締結国会議で採択された議定書のこと。地球温暖化対策の枠組みを定めた「気候変動枠組条約」(1994年3月発効)に盛り込まれていなかった温室効果ガスの排出削減に関する具体的な数値目標や削減手段を、この京都会議で検討、以下のようにまとめた。
1:先進国全体で2008~2012年の5年間(第1約束期間)で、温室効果ガスの排出量を、1990年比で最低5%削減。これに伴う国別の削減目標を、たとえば日本はマイナス6%、米国マイナス7%、EU全体でマイナス8%などに設定。しかし、米国はこれを批准せずに、京都議定書の枠組みから離脱している。2:開発途上国には削減義務を課さない。3:森林などの吸収源による二酸化炭素吸収量も算入可能にした。4:クリーン開発メカニズムや排出権取引など、国際的に協調して目標を達成するための仕組みづくりを導入する。
(出典:経済産業省、環境省)
バイオエタノール
サトウキビやトウモロコシ、米や麦、籾殻、ウッドチップなどのバイオマス(生物)資源を発酵させてつくるエチルアルコールのこと。近年は、食品や建材などの廃棄物も利用できるようになってきた。一般に、石油や天然ガスなどの化石燃料からつくられる合成エタノールと区別されて、そう呼ばれる。
バイオマスが原料なので、燃焼しても大気中の二酸化炭素(CO2)を増加させない特性をもった燃料。たとえば、ガソリンと混合して利用することで、ガソリンの燃焼時に発生するCO2排出を減少させる効果がある。京都議定書ではバイオエタノールの利用によるCO2排出は、排出量にカウントされないことになっている。
化石燃料のように資源が枯渇する心配がない有機資源のため、燃料の多様化の点でも注目される。その半面、食料や飼料用に回らなくなることで穀物価格の高騰や、食糧危機を招く原因と指摘されている。
(出典:農林水産省)
トップランナー制度
エネルギーを多く消費する機器のうち、省エネルギー法に基づいて指定された機器のエネルギー消費効率の基準を、各々の機器において,基準設定時に商品化されている製品のうち「最も省エネ性能が優れている機器(トップランナー)」の性能を上回るように設定する制度。1990年の省エネ法の改正で、民生・運輸部門の省エネルギーの主要な施策として導入された。基準に達しないと、ペナルティーとして社名などを公表、罰金を科される。
対象となっている主な製品は、自動車やエアコン、テレビ、DVDレコーダー、パソコン、電気冷蔵庫、電子レンジ、ジャー炊飯器、蛍光灯機器、ストーブ、ガス調理器など。省エネ性能は、情報提供(小売り事業者による表示制度)が課せられていて、性能を☆印で表した統一ラベルを、2006年10月から製品に貼付している。
(出典:資源エネルギー庁)
生物の多様性に関する条約
1992年5月に、ブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議(環境サミット)で決められた。陸上、海洋などの水中、これらが複合した生態系と、世界のすべての生物の多様性を保全するために、参加国が協力して取り組むことを表明している。2008年7月18日現在、日本を含む190か国がこの条約に参加しているが、米国は「バイオ産業に影響がある」ことを理由に参加していない。
この条約には、生物多様性が人類の生存を支え、人類にさまざまな恵みをもたらすものとして、世界が連携して生物多様性の保全に取り組むことが重要としている。先進国の資金により、開発途上国の取り組みを支援する資金援助の仕組みと、先進国の技術を開発途上国に提供する技術協力の仕組みがある。
(出典:環境省)
「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」
正式名称を、「気候変動に関する国際連合枠組条約」(United Nations Framework Convention on Climate Change)。地球温暖化防止条約ともいわれる。
二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素などの温室効果ガスの増大が地球温暖化を引き起こし、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミット(UNCED)で制定された条約。94年に発効した。07年8月現在で、世界191か国と欧州共同体(EU)が締結している。
(出典:外務省)
「福田ビジョン」
福田康夫首相が、洞爺湖サミットの開催前の2008年6月9日に発表した地球温暖化対策の柱となる将来像。長期目標として、世界的には2050年までに温暖化ガスを現状より半減。日本では60~80%の削減を掲げている。
具体的な政策として、(1)革新技術の開発と、省エネや再生可能エネルギーの普及など既存の先進的技術のさらなる活用(2)排出権取引や地球環境税の導入など、国全体を低炭素化に動かしていくための仕組みづくり(3)「地産地消」の促進など、地方の活躍(4)国民一人ひとりが低炭素化社会の実現の意義や重要性を認識し、行動すること。国民主役の低炭素化――が4本柱。
福田首相は、「産業革命後につくりあげられた化石エネルギーへの依存を断ち切り、『将来の世代』のための『低炭素社会』へと大きく舵を切らなければいけない」と、決意を述べている。
(出典:「低炭素化社会・日本」をめざして 福田首相の記者会見から)
「レッドリスト・レッドデータブック」
レッドリストは、日本で絶滅のおそれのある野生動植物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、選定してリスト化して公表したもの。そのリストに基づいて、2006年8月までに生息状況などをまとめたのがレッドデータブック。
2007年3月末現在、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づき、日本に生息・生育する絶滅のおそれがある種のうち、哺乳類4種、鳥類39種、爬虫類1種、両生類1種、汽水・淡水魚類4種、昆虫類5種、植物類19種の計73種を国内希少野生動植物に指定している。たとえば、トキやコウノトリ、イリオモテヤマネコ、タンチョウ、シマフクロウ、イヌワシなどがそれ。
(出典:環境省)
「カーボン・オフセット」
カーボン・オフセットとは、温室効果ガスの排出について企業や家庭、個人が主体的に削減努力を行ったが、どうしても削減が困難だった排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出量を購入することで埋め合わせる(相殺する)という考え方。
カーボン・オフセットを活用することで、家庭などでの温室効果ガスの削減に期待が寄せられる一方で、欧州ではオフセット(相殺する)のための削減活動が実質的な温室効果ガスの削減に結びついていないことが指摘されている。
(出展:環境省)
「チーム・マイナス6%」
深刻化している地球温暖化を防止するために、日本は京都議定書で2008~2012年のあいだに温室効果ガスを6%削減することを約束。これを実現するための国民的プロジェクトが「チーム・マイナス6%」。モットーは、毎日の生活の中で「1人1日1キログラムのCO2排出量削減をめざそう!」。
しかし、日本の温室効果ガスの排出量は年々増加する傾向にあって、とくに「家庭部門」やオフィスなどの「業務その他部門」における05年の温室効果ガス排出量は1990年比で約4割増加しており、対策の強化が求められている。
(出典:環境省)
「CSR」(企業の社会的責任)
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」のこと。企業は社会的な存在として、最低限のコンプライアンス(法令遵守)に基づいて、よい商品やよいサービスの提供、雇用の創出と維持、納税に対する責任。適正なコーポレートガバナンス(企業統治)とディスクロージャー(情報開示)、また最近では個人情報保護や消費者への誠実な対応、地域社会への参加、安全や健康に配慮した職場環境、地球温暖化防止などの環境問題への対応などが、企業が社会に対して果たすべき「責任」としてとらえられている。
企業には、株主や消費者、従業員、取引先、地域住民など幅広いステークスホルダーがいて、CSRにはこうしたステークホルダーとの関係が重要であるとされる。企業を取り巻くさまざまな立場の人とのコミュニケーションを通じて、ステークホルダーから信頼を得る、そのための活動がCSRといえる。
(出典:経済同友会)
「グリーンIT」
「グリーンIT」とは、地球温暖化防止のために貢献できる情報技術(IT)のこと。「グリーンIT」には「Green of IT」と「Green by IT」の2通りの考え方がある。「Green of IT」は、IT機器のハードの部分で省エネ技術を開発・導入して温室効果ガス排出量を削減する方法。「Green by IT」は、ITを利用する産業活動のなかでビジネスモデル改革や事業の効率化で省エネを実現する方法をいう。
経済産業省のグリーンIT推進協議会によると、ITによる地球温暖化の影響を消費電力でみた場合、2006年に約500億キロワット時だったものが2015年には2.1倍に、2025年には5.2倍に膨れ上がるという。ITの「負」の影響はトラフィック量に比例しており、2006年から2025年にトラフィック量は約190倍増えると見込んでいる。
(出典:経済産業省)