木は意外に長持ち 捨てないオフィス家具選び

2008/8/ 8 はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 newsing it!
プラス株式会社ファニチャーカンパニーが販売する「BTO」(Build To Order)

オフィス家具にも二酸化炭素(CO2)の削減に貢献する製品が登場している。プラス株式会社ファニチャーカンパニーが販売する「BTO」(Build To Order)は、デスクの上面の「天板」や脚といったパーツごとに、選べて取り外せる仕組みになっている。しかも、木であれば表面を削るだけで新しく生まれ変わる。鉄のほうが「丈夫で長もち」と思われがちだったが、じつはそうでもないのである。

パーツの組み合わせは数十万とおり

デスクの天板を取り出すプラス株式会社ファニチャーカンパニーの中嶋光正プレジデント。「BTO」の組み合わせは、数十万通りに上る
デスクの天板を取り出すプラス株式会社ファニチャーカンパニーの中嶋光正プレジデント。「BTO」の組み合わせは、数十万通りに上る

 「BTO」は、捨てないで長く使える家具をつくろうという発想から生まれた。オフィス家具は、オフィスの移転やリニューアルのたびに入れ替えが行われる例が目立つ。しかし、丁寧に使えば20年以上もつ。デスクであれば、脚はそのままに、天板を取り替えれば、半永久的に使える。BTOのデスクは、天板の形状、脚の形、サイズ、天板の色、脚の色と、それぞれパーツを選べて、オーダーできる。だから、組み合わせはじつに数十万通りに上る。

居心地のよさや使い勝手のよさ、仕事の生産性や効率。そうした面からもBTOは注目される。これまでのオフィスといえば、どのメーカーに頼んでも同じ色、同じ形の家具が、同じように配列されていた。しかし、いまでは企業によってオフィスに求める機能や快適さが違ってきて、どの企業も社員の使いやすいオフィスをつくろうという考えがはっきり反映させている。きれいなオフィスで働きたいという人は少なくないし、外資系企業では間仕切りがあったほうが働きやすいという声が出ている。BTOはパーツが選べるから、一人ひとりの社員の要望にも対応できるというわけだ。
コストを抑えたいというニーズへの対応も欠かせない。たとえば、パソコンをLANケーブルでつないでいたオフィスに、無線LANを導入したとする。当然、LANケーブルは要らなくなる。リニューアルのときに、余分な廃材をどれだけ抑えられるか。コストと環境の両面から押さえておきたいポイントになっている。

鉄の価格上昇で「木」のよさがクローズアップ

オフィス家具とは思えないおしゃれなデザインのデスクや椅子が並ぶ(東京・赤坂の+PLUSショールーム)
オフィス家具とは思えないおしゃれなデザインのデスクや椅子が並ぶ(東京・赤坂の+PLUSショールーム)

原油価格の高騰などで、鉄の値段は上がっている。一般にオフィス家具などに利用される鋼板は薄板といわれるものだが、鋼板相場によると、厚さ1.6ミリ×幅914ミリ×長さ1829ミリ、1トンあたり12万~12万5000円(7月17日時点)。「3、4年前と比べると約2倍になっています」(新日本製鐵)という。
だから、ムダ遣いはできない。プラス株式会社ファニチャーカンパニーの中嶋光正プレジデントは、「ロスをなくすこと、ムダなのもつくらないことは、環境への取り組みにも通じる」といい、事務机の天板の型抜きでも、工場にムダを出さないやり方を研究させた。その成果もあって、型代のコストを従来の3分の1に減らすことにも成功した。
天板の型を抜いたときに出るクズ鉄を再利用するにも、溶かしたりすれば、またエネルギーを使うことになってCO2を排出する。ロスをなくすことが、地球にやさしい製品づくりなのである。

一方、家具用木材も輸入に頼っている。これも、主流となる広葉樹材やウッドチップなどを固めた合板材の輸送コストがかさんで、やや値上がりしている。それでも、鉄ほど値上がりしていないこともあって、「木材を利用しようという機運は高まっているようです」(住宅・家具木工用資材を販売する材木商)と話す。
ちなみに、家具に使われる木材は年間約1163万立方メートル。国内木材はこのうち約9万立方メートル(2007年)と少ないが、木材価格は「このところ、長期的に値下がる傾向にある」(農林水産省畜産・木材統計班)そうだ。

プラスの中嶋氏は祖父から譲り受けたロシアの鏡台をいまも使っている。時々、古道具屋に出してはきれいな状態に直してもらっている。「木はメンテナンスをきちんとすれば100年使える」。
オフィスのデスクも、長く使えば、木のほうが安くなる可能性がある。今後、鉄製から木製への入れ替えが進むことも十分考えられる。

CO2を減らすオフィスづくり
プラスは、1983年にオフィス環境研究所を設立、2000年にはオフィス家具の環境資材調達ガイドラインを制定するなど、早くから環境問題に取り組んでいる。02年には関連会社のプラスロジスティックスが中古オフィス家具の競売市場に参入することで、マテリアルリバースシステム(MRS)の運用を開始した。
 08年6月には、オフィスの移転に伴う不要な家具のうちオークションにかけることができない家具について、廃棄処分となる過程で発生するCO2の排出権を、オークションで落札された家具の価格の一部で購入することで相殺する「カーボンオフセット」を取り入れた。BTO(Build To Order)型の「長く使える」オーダー家具も、MRSを活用した家具の入れ替え時などに提案することで、産業廃棄物を減らす効果が見込める。

プラス株式会社
1948年、千代田文具株式会社としてスタート。オフィス文具や事務用品、オフィス家具・インテリア、電子光学機器などを製造、販売する一方で、アスクルやビズネット、ジョインテックスといったインターネット時代に対応した流通システムを生み出してきた。経営のスピードアップと、専門性の追求による独創的でユニークな商品・サービスの提供をめざして、スモール・カンパニー制を敷いている。ファニチャーカンパニーもその一つ。売上高は2882億円(2007年度連結ベース)。

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