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「家ナカ娯楽」にあった!? 「巣ごもり家族」が幸せの秘訣

   2009年6月、電通総研を中心に家族社会学研究者で明治大学文学部教授の齋藤孝さん、デジタル・メディア評論家の麻倉怜士さん、節約アドバイザーの矢野きくのさん、メディア開発綜研の菊地実さんが発起人となり「家ナカ研究会」なるものが発足した。同会がつくられた目的は、昨年来の不況で「巣ごもり現象」が続くなか、日本の家族の新しいライフスタイルの実態を研究するためだ。その「家ナカ研究会」が、日本全国の子持ちの既婚男女1000人を対象にライフスタイルの実態に関する調査を実施したところ分かったのが、「巣ごもり家族」そして「引きこもり家族」といわれるものの存在である。

「地デジ対応テレビを中心とした『お茶の間復権』」

   「巣ごもり家族」とは、以前よりも家で過ごす時間が増え、なおかつ家族満足度が高いというニューライフスタイルを指しているのだが、具体的には次のような3つの特徴を持つことも明らかになった。

   まず最初は「地デジ対応テレビを中心とした『お茶の間復権』」だ。なんと、「巣ごもり家族」の73.7%が週に4日以上、家族みんなでリビングに集まって過ごしているのだという。ちなみに、以前よりも家で過ごす時間は増えたものの、家族満足度があまり高くない「引きこもり家族」のほうの数値は50%にとどまっている。

   2番目に挙げられるのは、「巣ごもり家族」の『家ナカ娯楽アイテム』が充実しているということ。「巣ごもり家族」が所有しているモノで、家族一緒に楽しんでいるのは「地デジ対応テレビ」で56.3%と最多。次いで、ネット接続されたパソコン(49.6%)、地デジ未対応テレビ(32.9%)、Wii(27.5%)、Nintendo DS/Nintendo DSi(21.1%)、ボードゲーム(11.3%)、高機能炊飯器(8.8%)、ホームベーカリー(7.5%)・・・と続く。こうしたデータを見ても、「巣ごもり家族」が『家ナカ娯楽アイテム』を家族みんなで楽しんでいる様子がうかがえる。

   そして、最後の3番目は、「巣ごもり家族」が賢く消費しているという点だ。「巣ごもり家族」の主婦の32.1%が日常の買い物(食料品・日用品)で、ネットスーパーやネット通販を利用しており、そのうちの39.0%が週に1回以上利用しているのである。

家族のコミュニケーションを活性化させる「3種の神器」

「テレビは家族が集まるために必要」と語る齋藤孝教授
「テレビは家族が集まるために必要」と語る齋藤孝教授

   「家ナカ研究会」では、今回の調査で見えた「巣ごもり家族」の実態や、日本人全体の消費志向、市場動向などから、「地デジ対応大画面テレビ」、「家族向けオンラインエンタテインメント」、「高機能家電」を、幸せなライフスタイルを楽しむ「巣ごもり家族」が満喫する『家ナカ娯楽』の3種の神器と位置付け。それぞれが家族のコミュニケーションを活性化させるうえで重要な役割を果たすものとした。

   齋藤孝教授は、

「我が家では、テレビがあることで、世の中の動きについて子どもたちが反応するようになってきている。テレビがあるところに家族が集まるのはいいこと。テレビは家族が集まるために必要なもの」

と話している。