J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

【シリーズ・夢抱き働く若者たち(1)】「大事なのはアクションを起こすこと」ナチュラルローソンMD・田口美里さん

   就職氷河期、経済低迷、混乱する政治――。いまの若者たちをとりまく環境は厳しい。果たして彼らに「光」は見えているのだろうか。J-CASTニュース「モノウォッチ」で紹介する商品やサービスの裏にも、日々、汗水流してモノづくりに励む若者たちは少なくない。不定期連載でお届けする「シリーズ・夢を抱き働く若者たち」の第1回は、ローソンのナチュラルローソン推進部マーチャンダイザー(MD)・田口美里さん(28)だ。

小さいころは、ピアノの先生やケーキ屋さんになりたかった

「週末は寝溜め? したいけど、もったいなくって」と田口さん
「週末は寝溜め? したいけど、もったいなくって」と田口さん

   田口さんは、大学在学中に「管理栄養士」の資格を取り、ナチュラルローソン(当時)に入社した。8か月間、店舗で働いたあと店長に昇格。1年後に商品部に配属され、おにぎりや麺類、サンドイッチを担当後、チルド弁当の商品開発に従事し、現在に至っている。

――コンビニエンスストアを就職先として選んだのは?

田口さん 小さいころは、ピアノの先生やケーキ屋さんになりたかったんですけどね。大学に入って管理栄養士の資格を取ったことで、"自分の知識を生かして誰かを健康にしたい"と思うようになりました。コンビニ食って高カロリーでジャンキーというイメージを持たれがちですが、それを払しょくして、気軽に買える食事で健康を維持していただければいいな、と考えたんです。

――その目的は実現していますか?

田口さん ナチュラルローソンの商品コンセプトは「美と健康」。お弁当なら600キロカロリー以下で、サラダなら野菜を何グラム以上とれるとか心がけてはいますが、まだまだ完全ではないかもしれませんね。

残業続きも「やり甲斐を感じて働けるのは幸せ」

田口さんが手にするのは、好評の「海老と野菜のトマトクリーム玄米入りごはん」
田口さんが手にするのは、好評の「海老と野菜のトマトクリーム玄米入りごはん」

――仕事で大失敗したことは?

田口さん 以前、ハート型のもなかの中にカボチャあんを入れたサラダを販売したんですが、厳しかったですね。かわいかったら10~20代の女の子が買ってくれるだろうという狙いは大外れ。本来、ナチュラルローソンは30代の働く女性たちがターゲットですし、誰に売るのかをしっかり理解すべきだと痛感した一件でした。

――では、この会社に入ってよかったと感じた瞬間は?

田口さん ラップサンドの「トルティーヤ」は日に10個以上売れることもあるんですが、自分が開発した商品が買われていくのを見て、改めて「すごい仕事をしているんだな」って実感します。他のコンビニさんと比べても、ローソンほど若い人にたくさんのチャンスを与えてくれる会社はないんじゃないでしょうか。仕事は、商品の企画から、それらが店舗に並ぶまで。朝から夜は通常でも10時すぎまでと結構大変ですが、やり甲斐を感じて働けるのは幸せだと思っています。

――東日本大震災で感じたことは?

田口さん 東北には取引先もあり、被災した方もおられました。でも、「頑張って、秋にはまたいい野菜を供給できるようにするから」って言われて、本当に感謝しました。いい材料でいい商品を作って、東北の復興に少しでも役立ちたいという気持ちでいっぱいです。

「結婚しても家庭と仕事を両立したい」

――これから担当したいものは?

田口さん 今の担当(チルド弁当)も、まだまだいろんなことができると思うし、とっても気に入っていますが、自分のキャリアの向上を考えれば、バイヤー(買い付け)もやってみたいし、ベーカリーやデザートの担当もしてみたいですね。

――田口さんの「夢」は何でしょう

田口さん ナチュラルローソンは首都圏に82店舗あり、現在、食のメニューで健康を訴求していこうというプロジェクトを展開していますが、それをもっと全国に広げていって、少しでも多くの皆さんを健康にしたいですね。あとは、結婚しても仕事は続けたいので、家庭と仕事を両立できればいいと思います。

――同世代の若い人たちにメッセージを

田口さん 私も高校生のころは「やりたいこと」なんて見えていませんでした。とりあえずOLとかできればいいかな、なんて(笑)。でも、勉強したり、前向きに生活したりしていくなかで、何か見えてくる時期はあると思います。そこで大事なのはアクションを起こすこと。見えてきたものについて色々調べたり、考えたり・・・。若いからこそ、失敗してもやり直しがきくので、とにかく前向きになって行動を起こしてほしいと思います。