2024年 3月 19日 (火)

【書評ウォッチ】なぜ人は群れて突っ走るのか 「いい奴」も豹変した反日デモ

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   中国反日デモの爆発的な荒れようは、全員が一つの方向に突っ走る集団の恐ろしさを垣間見せた。『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』(レン・フィッシャー著、白揚社)を、集団の原理とその正邪を語る本として脳研究者の池谷裕二さんが読売新聞で紹介している。鈍感と敏感というキーワードが集団の特徴を言い当てる。たまたまだろうが、国際情勢とかさなって説得力のある一冊だ。【2012年9月23日(日)の各紙からII】

昆虫の行動パターンと差異はない

『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』(レン・フィッシャー著、白揚社)
『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』(レン・フィッシャー著、白揚社)

   動物でもヒトでも「群れは単純な原理で生まれる」と、書評はいう。前半はミツバチやアリなど、後半はヒトについて、本は論じる。人は自分を「高度な知能を誇る生物」と希望的に考えるが、実は、昆虫の行動パターンと差異はないそうだ。人も無意識に自然の摂理に従っている。

   「ときに集団は鈍感化する」ことを、評者は火災報知機が鳴っても逃げない経験を例にあげる。「敏感になりすぎ、群衆パニックに至ることもある」との評が生々しい。

   メールやネットの影響にも言及する評者が「新たな世論を生み、政治や民意をも動かす」例にしたのは、反日デモ。「個人対個人ではいい奴でも、集団になると別次元の意志に豹変する」とのとらえ方だ。群集力学。要するに、バカが群れると危険ということか。その要素が誰にもあるとすれば、この際、自らもふくめてしっかり認識しておかなければ。

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