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タイをもっと手軽に楽しむ 便数急増、日本-バンコクLCCの意外な活用法...美濃羽佐智子

   約5万人の日本人が暮らすタイ。首都バンコクへは日本航空、全日空、タイ国際航空をはじめとする日本とタイ両国のエアラインが毎日運航しています。バンコク線はビジネスでの利用者が多い路線ですが、2014年に入って観光客をターゲットにした格安航空会社(LCC)の乗り入れが急増。6月にはオーストラリアのジェット・スターが福岡-バンコク線で、9月にはタイ・エアアジアXが成田-バンコクと関空-バンコク両線で運航をスタート。さらに15年3月までをめどに、シンガポールのスクートとタイのノックスクートがそれぞれ成田-バンコク線を開設する計画を進めています。

  • エアバスA330-300。エコノミークラス365席
    エアバスA330-300。エコノミークラス365席
  • エアバスA330-300。エコノミークラス365席
  • ビジネスクラスのプレミアム・フラットベットは12席
  • 機内食1回サービス。数種類の中から選ぶことができる
  • ドンムアン空港の出発ロビー
  • ドンムアン空港の荷物預かり所。1個75バーツで24時間

ビジネスクラスあり 手荷物預かりや機内食無料

   LCCのメリットは、価格が安い! ということにつきます。私も9月に、就航したばかりのタイ・エアアジアXでバンコク&チェンマイの旅を楽しんできました。

   就航記念ということもあり、成田-バンコクの往復が2万円以下という激安価格での渡航も可能でしたが、今回選んだのはビジネスクラス。燃油サーチャージ込みで7万4000円(日程により価格は変動)と、大手のエコノミークラスの価格でビジネスクラスが利用できます。

   手荷物預かりは40キロまで無料。機内食やドリンク(アルコール以外)、ブランケット類など、通常ならば価格が上乗せされるサービスも無料で付いてくるので、LCCのデメリットを払しょくできます。

乗ってからでもアップグレードが可能

   なんと、私が乗った日はビジネスクラスの利用者は私ひとり! LCCにビジネスクラスがあるという認識がないのか、LCCを利用する人にビジネスクラスの需要がないのか? 機内でも6990バーツ(約2万3000円)の追加料金でアップグレードが可能ですが、移動してくる人はいませんでいた。

   ビジネスクラスを選ぶと、最初に乗れて最初に降ろしてもらえるのはもちろん、荷物にプライオリティータグが付けられ初めに受け取ることができます。飛行機に乗っている間も乗務員の方々がとても気をかけてくれて快適でしたが、欠点はエンタメ設備がないこと(エアアジアのホームページによるとオーストラリア発着便には用意されているようです)。映画が見たい人はパソコンなどを持ち込むことをお勧めします。

ARLはないけれど、中心部に近いドンムアン空港

   LCCを利用する場合、バンコクでの利用空港がドンムアン空港になるのですが、これが意外と使えました。

   バンコクの中心部とを結ぶエアポート・レール・リンク(ARL)があるスワンナプーム空港に比べると、街中までの移動がタクシーかバスになり、免税店やお店の数が少ないことは不便ですが、国際線が少ないためかパスポートチェックの待ち時間が少なく、市内への距離はスワンナプーム空港よりも近く、空港から街に出るまでの時間的ロスが少なくなります。

   今回の旅は、数日間をバンコクで過ごし、その後チェンマイに行ってから東京に戻るというスケジュールにしたので、チェンマイへ移動する際に荷物を一旦ドンムアン空港の荷物預かりセンターへと預けて身軽にチェンマイ観光を楽しみ、ドンムアン空港で荷物をピックアップしてそのまま成田へ帰国しました。

タイの地方都市への旅行に最適

   ドンムアン空港には、エアアジア、ノックエアー、オリエント・タイ航空などのLCC各社が乗り入れ、プーケットやクラビ、ルーイ、チェンライなど、タイ各地へ旅するのに便利。タイの地方を旅行する時にこそ、ドンムアン空港発着のLCC路線が活躍します。

   さて、成田への帰りの便ですが、行きとは違いビジネスクラスは満席。しかも私以外はすべてタイ人のお客さんでした。

   タイの地方都市を旅してみたい、航空料金をセーブして、滞在中にちょっぴり贅沢したいなど、LCCを利用することで、タイ旅行の幅が広がりそうです。

【プロフィル】
美濃羽佐智子(みのわ・さちこ)
出版社の編集を経てフリーの編集・ライターに。旅・フード・ファッションをフィールドに活動する。現在はタイと日本を往復しながら、タイの面白いこと、美味しいことをさまざまなメディアに寄稿中。