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今や「教室はインターネット」の時代 中学生向け"三大オンライン映像学習サービス"を比較する

   IT化はあらゆるところに及んでおり、小学生や中学生にもスマートフォンが行きわたり、生徒・学生らの学校生活にも電子機器は欠かせないものになっている。IT時代以前から衛星を利用するなどして遠隔地への授業サービスに取り組んでいた予備校や学習塾などでは、IT化への取り組みはさらに先鋭的だ。現代の先端学習サービスとして「Try IT(トライイット)」、「勉強サプリ」、「アオイゼミ」が知られており、"三大オンライン映像学習サービス"ともいわれている。

  • 「Try IT」の授業動画
    「Try IT」の授業動画
  • 「Try IT」の授業動画
  • 「勉強サプリ」の授業動画
  • 「アオイゼミ」の授業動画

無料で丁寧な「Try IT」、暗記に頼らない「勉強サプリ」、ライブ授業の「アオイゼミ」

   「トライイット」は、「家庭教師のトライ」が2015年7月に新たに開始した無料オンライン授業サービス。他の2サービスでは1か月1000円ほどの料金が必要(一部サービスは無料)なのに対し、全ての授業動画が無料で見られることが最大の特徴だ。授業の分からないところを質問する場合だけは有料で、質問1回につき500円で家庭教師からの添削指導を受けられる。

   授業は、科目ごとに「通常学習編」と「テスト対策編」の2種類あり、「通常学習編」は、中3コースを例にとると、数学ならば「二次方程式」など、それぞれが10分前後の「単元別」動画が90本用意されている。英語ならば「受動態」「過去分詞」「現在完了形」など文法の項目ごとに授業の動画があり苦手分野をピンポイントで克服できる。

   それぞれの授業では、プロジェクターにより基本的内容が黒板に映写され、その画像の上に、講師が要点を書き加えていく。理科、社会など図や資料を多用する科目では特に理解が進みやすい。

   リクルートのグループ企業によるオンライン教育サービス「勉強サプリ」は、「これまでにない勉強方法」をうたう。暗記に頼らず、核となる考え方を示し、理解を進めるシステムという。例えば中学生向け英語授業に「文型」というパートがあるが、このなかではまず「文型を学ぶと何の役に立つか」を示している。こうしたことが、学校の授業にイマイチ興味が持てない子どもには刺激になりそうだ。

   "オンライン学習塾"を標榜する「アオイゼミ」は、 "授業動画"もあるが、これとは別の"ライブ授業"が売りだ。マイページで示された時間割にもとづき、特定の日時に講師が実際に授業を行う。全国で同時に授業にのぞむ受講生がおり、受講生は講師へのメッセージを授業中に送信し、その内容は動画脇のタイムラインに表示できるので、クラスメートがいる感覚になる。講師も受講者に呼びかけをしてくれるので、ウェブ映像授業の弱点とも言える「講師が一方的に話を進めて受講者が置き去りにされる」ことが回避されている。

今後のサービス拡充に期待

   3校を比較すると、「トライイット」は単元ごとに動画が細かく分かれ、プロジェクターを使った板書の見やすさもあって、丁寧な授業を届けている印象。無料で全ての授業動画、テキストを利用できるのも大きな魅力だ。

   「勉強サプリ」は講師の個性が出ており授業自体は面白い。一方で、学校とは進め方が異なるので、学校の授業の予習・復習には使いづらいかもしれない。

   「アオイゼミ」は定時にライブ授業が受けられるので、一人では集中力が続かなかったり、怠けてしまったりする人には打ってつけだろう。

   なお、トライイットは現在中学生向けの授業のみだが、高校生、小学生向けのものも提供していく予定だという。他2校もサービスが拡充されることもありえる。オンライン映像学習サービスはまだ緒に着いたばかり。子供たちと同じように伸び盛りの段階だ。