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ベネッセが全国の大手学習塾との提携で生み出す新たな教育サービス 「家庭と塾をシームレスにつなぐ指導」、「効率的かつ効果的な運営モデル」

   ベネッセホールディングスはこのほど、地方で学習塾を展開する4社などとの業務提携し、新たな学習サービスの構築を進めると発表した。ベネッセと業務提携を結んだのは、熊本ゼミナール(熊本県)、信学会(長野県)、スクール21(埼玉県)、寺子屋グループ(愛媛県)の4社。2016年3月1日のベネッセの発表によると、提携各社は、ベネッセが展開する小・中・高校生向け通信教育講座「進研ゼミプラス」と塾での学習・指導を組み合わせた「クラスベネッセ」のフランチャイズ契約を結ぶとともに、各社のノウハウを共有しながら教育効果の高い校外学習サービスの実現を目指す「教室事業コンソーシアム」の設立に合意した。

  • ベネッセホールディングスの原田泳幸社長
    ベネッセホールディングスの原田泳幸社長
  • ベネッセホールディングスの原田泳幸社長
  • 塾7社と共同で先進的な校外学習モデルを研究
  • iPad利用でより個人に寄り添うサポートができる

「進研ゼミプラス」×塾で、いつでもどこでも「個人別に寄り添う指導」を実現

   ベネッセは、小・中・高校生向けの通信教育講座「進研ゼミ」で、教科書タイプやレベル別の教材による学びを45年にわたり提供してきた。2016年4月、そのノウハウを活かし過去最大のリニューアルを経てスタートするのが「進研ゼミプラス」だ。従来の紙教材による「オリジナルスタイル」とiPadを活用する「ハイブリッドスタイル」の2コースを用意している。ハイブリッドスタイルでは、生徒個人の学習目標や理解度に応じて個別カリキュラムが提供される。また、従来の「赤ペン先生」の添削指導に、毎日の学習履歴を把握して適切な声掛けやアドバイスをする「赤ペンコーチ」が加わるなど、一人ひとりを継続的にサポートするサービス内容になっている。

   「クラスベネッセ」は、全国各地の塾でこの新講座「進研ゼミプラス」を使った指導を行う個別指導サービスだ。塾との提携による最大の特徴は「365日いつでもどこでも生徒の学習をサポートできる」という点にある。

 

「クラスベネッセ」で塾と家庭学習をシームレスにつなぐ

   従来の「進研ゼミ」では、提供する教材の進捗具合が子どもたちにゆだねられており、「教材がいつの間にか溜まってしまい、長続きしない」ことが原因で会員が離れてしまうという課題を抱えていた。また、塾側は生徒が家に帰ってからの学習の進捗具合を把握することが難しいという課題があった。

   「クラスベネッセ」では、「進研ゼミプラス」の豊富なコンテンツや個人別の学習システムと、各塾が持つ対面指導の経験やノウハウを融合し、生徒の家庭での学習状況を把握しながら指導にあたることが可能となった。塾での学習と家庭での自立学習をシームレスにつなぐサービスだ。

   「クラスベネッセ」では、生徒が取り組んだ学習履歴をiPadで管理することができ、先生は生徒の得意分野、苦手分野を一目で把握できる。また、学習の進捗具合に応じて生徒個人に適した教材をiPad上でカスタマイズし進捗やレベルに応じた追加教材の配信など「教室外からのサポート」が可能になる。

各社の強みを持ち寄って「最も効果の高い校外学習モデル」の構築目指す

   これまで校外学習市場は、教材の作成から教員の確保、運営方法の確立まで、運営に関わる全てを各社が独自にマネジメントする一社完結型のビジネスモデルであることが多かった。しかし、校外学習市場で一社完結型のビジネスを続けるのは必ずしも効率の良いやり方とは言えない。運営コストがかかるうえに、市場が限られているため各社の取り組みに重複する部分が多いからだ。

   「教室事業コンソーシアム」では、ベネッセと塾が協力して、各社が持っている教育知見や学習履歴の蓄積をデータ化して共有する「プラットフォーム」の構築と、各社のノウハウを持ち寄って、最適な投資と効率的な運営を行う「エコシステム」の実現を進める。「教室事業コンソーシアム」で各社の強みを活かし協力することで、教育業界で最も教育効果の高い先進的な校外学習モデルの確立を目指す。

   埼玉県を中心に「スクール21」を展開するエジュテックジャパンの田中隆之社長は、学習塾としてコンソーシアムに参加する意義について

「教育企業の間で情報の連携が取れれば、教育の無駄が軽減できるだけでなく、各塾のノウハウを組み合わせて様々な指導の形にチャレンジできるというメリットがあります。また、各塾が持つ人材や資源をそのまま利用できるため、導入の負担が少ないこと、各塾の独自性を維持しつつ新たな集客が見込める点が大きな魅力です」

と語る。

   ベネッセは今後も提携する学習塾を増やしていく予定だ。

<企画編集:J-CAST トレンド編集部>