人間の知性を上回る「Q&A」システム誕生か OKWAVEのAIエージェント「あい」、本日サービス開始

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   日本最大級のQ&Aコミュニティサイト「OKWAVE」を運営する「オウケイウェイヴ」(東京都渋谷区)は、一般利用者からの質問や疑問に最適な回答を提示する新たなサービスを、PC・スマホ向けに2016年11月10日12時に開始した。回答するのは生身の人間ではない。「あい」と名付けられたAI(Artificial Intelligence、人工知能)エージェントだ。

   OKWAVEには毎日、疑問・悩みを抱えた人と、その解決に力を貸したい人が大勢訪れる。ある人が質問を投稿すると誰かが回答を書き込む、いわばネット上の助け合いの場だ。Q&Aの累計数は3500万件以上、アクセス数はおよそ1テラもある。

   「あい」はそれらの膨大な情報を知識化し、聞かれた質問から最適な答えを見つけてくれる自動応答サービス。約1000カテゴリーある「OKWAVE」の全領域への拡張を目指すが、まずは美容・健康に関する分野からスタートする。

  • AIエージェント「あい」のイメージ画面
    AIエージェント「あい」のイメージ画面
  • オウケイウェイヴの兼元謙任社長
    オウケイウェイヴの兼元謙任社長
  • 研究開発本部長でもある浅川秀治取締役
    研究開発本部長でもある浅川秀治取締役
  • 「あい」(スマホ版)のサンプル画面その1
    「あい」(スマホ版)のサンプル画面その1
  • 「あい」(スマホ版)のサンプル画面その2
    「あい」(スマホ版)のサンプル画面その2
  • 「あい」(PC版)のサンプル画面
    「あい」(PC版)のサンプル画面

サーチ(検索)エンジンが超えられない壁を突破する

   AIとは、人間の脳が行っている学習・推論・認識・判断といった機能をもたせたコンピュータシステムを指す。画像認識、音声認識、自動運転車、介護支援ロボット、自動掃除マシン......と、いま話題になっているものだけでも応用範囲は多岐にわたる。

   「あい」の適用領域は自然言語処理だ。OKWAVEの3500万件以上の「Q」(質問)と「A」(回答)、そして「利用者属性」を機械学習する人工頭脳を持つ。質問を受ければ、その意図と最も適した回答が何かを考えることができ、回答の文章から概念や意図を読み取って知識化する。それを繰り返すことでどんどん賢くなる。

   11月9日、同社セミナールームで開催されたマスコミ向け記者発表会で、デモンストレーションが行われた。あらかじめ「Q(質問)」がいくつか用意されているほか、気になることを文章で打ち込める入力欄もある。例えばここに「頭痛がします」と入力すると--、

「お待たせしました!」(マスコットの表情:見つけた!) 「お察しします。たかが頭痛なのですが、非常に多くの人が悩んでいます。私も痛くない日がないのです。やはり、頭痛外来、脳神経外科などに、診察に行かれる事をお勧めします。そしてご自分にあった薬の処方を受けられるのが1番だと思います。あなたも1番ご安心なさるのではないでしょうか。本当にいろんな原因があると思います。お医者さんに、相談されるのがいいのではないかな。ストレス、肩凝り、目の疲れなど、息ぬき、大いに必要だと思います。
引用元http://okwave.jp/qa/q1894036/a5890562.html」(マスコットの表情:一緒に心配してくれる)

といった具合に、的確でしかも人の温もりのある回答がすぐに表示される。また「結婚します」と打ち込むと、

「ご結婚おめでとうございます! これから楽しいことがたくさん待っていますね。羨ましいです。......(中略)......当日まで体に気をつけて、思い出に残る一日なりますようお祈りしております」(マスコットの表情:笑顔)

というメッセージが返ってくる。主語が誰だか分からない文章の場合、入力者を主語と推定した回答が出るというわけだ。

   一般的なサーチエンジンは、ウェブ上の情報を一通り検索して、ヒットした結果を大量に表示する。その中から適切な情報をユーザーは選ばなくてはならない。それに対して「あい」は最適な回答の一本釣りが可能だ。質問があいまいなときは、聞き返しで明確化する機能を今後実装する予定。

   同社の兼元謙任社長は、今回のプロジェクトに乗り出した動機について次のように語った。

「2020年には500億個以上のデバイスがインターネットに接続すると予想されています。そうするといろいろ分からないことがたくさん出てきます。これに関してはみんなで助け合うしかないのです。われわれは16年間の事業を通じてビッグデータを保有しています。このデータを概念にまとめこんだのが人工知能なのです」

   同社の研究開発本部長でもある浅川秀治取締役は、サーチエンジン「Bing」や「goo」の開発にも携わった経験のある、エンジニアの間では知られた人物だ。

「私は日本語処理に深くかかわってきました。日本語は難しくて、誰に対して、どういう質問なのか非常にあいまいです。そういったところをしっかり把握できるような形で入れています」

   表記上は同じ1つの言葉でも、意図や概念が人によって異なることは珍しくない。「あい」は独自技術でビッグデータの概念や意図を抽出し、階層化する。その結果、同義語や表記ゆれを超えた対応も可能とのこと。

   オウケイウェイヴは法人向けカスタマーサポートソリューション事業も行っている。FAQ/お問い合わせシステムは、3大メガバンクや楽天、ツタヤをはじめ約400社に採用されている。

   同社は今後、企業向けにも「あい」と同様の機能をもつ「OKWAVE AI Knowledge」ソリューションを提供する予定だ。企業内の蓄積された問い合わせデータやFAQ(よくある質問)データなど、企業独自のQ&Aデータベースを機械学習し、知識化させることで、企業に寄せられる問い合わせへの最適な自動応答など、ユーザーサポート領域での活用を見込む。

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