放送改革の裏で、NHK肥大化が進むエレキ君 竹中総務相の放送改革の“置き土産”でもある「通信・放送分野の改革に関する工程プログラム」(9月1日発表)が進行中だ。放送関係の受信料支払い義務化などNHK改革、民放関連ではマスメディア集中排除原則の緩和-はどう進んでいるのか?主な放送改革の工程プログラムは下記のようになる。
テレビ君 NHK関連で先行しているのは民放も出資する国際放送の強化だが迷走している。NHKの試算では初期費用に150~170億円、年間運営費に180~210億円かかるが、収入は50~60億円の国費助成金のみ。民放各社は完全に腰が引けている。 プレス君 菅総務相の「テレビの国際放送にも命令放送は妥当」という発言がこれに拍車をかけた。「毎年100億円もの赤字が出るうえ、編集権の所在もあいまいな放送に加わるのはあまりにもリスキー」(民放キー局幹部)。“落としどころ”も見えていない。 アドバ君 保有チャンネル数の削減にはNHKは猛反発してきた。この夏の竹中総務相の私的懇談会の報告を受けた「政府・与党合意」ではチャンネルの具体的な削減数は明記されなかった。このときNHKは永田町の力を借りたといわれる。こんども、この手を使うつもりだろうか。 エレキ君 子会社の整理統合は、NHK内で検討中で音楽・技能・スポーツ番組の制作部門を既存の関連子会社と整理統合して、それぞれ一本化して分離する案がほぼ固まり、今年度中に発表する運びだ。 テレビ君 マスメディア集中排除原則の緩和も国際放送同様、一筋縄ではいきそうにない。いわゆる「持ち株会社」が解禁される見通しだが、「20%未満」という出資規制がネックになっている。テレビ朝日、テレビ東京の筆頭株主である朝日新聞、日経新聞の出資比率は30%を超えている。持ち株会社になったら保有株を放出するなどの対応が求められるため反発している。 プレス君 TBS株の19%強を保有する楽天も、これ以上の買い増しはできなくなる。うるさ型の全国紙やネット大手が反発していることは総務省を悩ます。小泉改革路線だった押し通すだろうが、安部政権になって風向きが変わった。 アドバ君 来年1月からの通常国会は来年度予算を審議するが、6月の参院選向けの政策=法案が優先され、参院選向け法案が目白押し。放送法改正はテレビ業界は関心を示しているが国民が関心あるとは思えない。安倍政権としては国民受けするかどうかが判断基準。放送法改正の審議をやる暇はないのではないか。 テレビ君 次期通常国会で、総務省はNHKのインターネット事業を業務の一環として認める放送法改正案を提出する見込み。ネットの有料配信で得た利益を受信料収入に計上させるなど一定の歯止めをかけるというが、NHKのネット進出が“市民権”を得ることになる。 プレス君 多くのメディアがNHKの国際放送の強化や受信料不払い問題に目を奪われているなか、NHKはインターネット進出を改正法案に潜りこませようとしている。新聞・民放連合はNHKのネット進出にはさんざん反対してきたのに白旗か。こうやってNHKの肥大化は密かに確実に進むのである。
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