耳やしっぽでコミュニケーション 「犬語」話す訓練士

2007/4/21      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事を含むECナビ人気ニュース   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント(1)  

   『盲導犬クイールの一生』というノンフィクション小説がある。ドラマ化、映画化もされた作品で、「クイール」という名前の盲導犬の一生を描いた物語だ。今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゲストは、その物語の中に登場した盲導犬訓練士・多和田悟。

   盲導犬が使用者のパートナーとなるまでの過程は、大きく3つのパートに分けられる。第一に「生ませの親」、次に「育ての親」、そして「しつけの親」。多和田は最後の「しつけの親」だ。人間と犬が言葉でコミュニケーションを図ることは、まずできない。言葉では意思疎通などできない。しかし多和田は「犬語を話す」ことができるという。一体どういうことなのだろうか。彼が「ワン!」と吠えるのか?

   人間が自分の言葉を理解できないことぐらい、犬も知っているはずだ。だから犬はいろいろな方法で自分の意志を主張する。それは耳の形だったり、しっぽの振り方だったり、表情だったり。多和田はそれを鋭く察知する。そこから犬の感情を理解して、その犬がいまできることを訓練していく。決して無理をさせず、できることから始めていく。それこそが、多和田のいう「犬語を話す」ということなのだ。

   多和田はこれまで200頭を超える盲導犬を育て上げてきた。その彼に、茂木は「人を育てるのと盲導犬を育てること。どちらが大変ですか?」と聞いた。そりゃやっぱり言葉が通じない犬のほうだろう……と思ったが、多和田は「人間を育てるほうです」と答える。

   「犬は、やると言ったら『うん』と言って向こうからやってきます。でも人間は犬より楽しみがたくさんありますし、誘惑もいっぱいある。自分がやらなくてもいい、と思ってしまったらそれまでなんです」

   純粋だが言葉の壁がある犬をしつけるよりも、言葉は通じるが複雑な人間を育てるほうが難しい。そんなものなのか、と思うと同時に、少し複雑な気分になった。

   ※NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「イヌは人生のパートナー~盲導犬訓練士・多和田悟」(2007年4月17日放送)

慶応大学・がくちゃん
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