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NHK「インサイダー」記者 本当に3人だけ?NHKだけ?

   またNHKで不祥事。だが、今度のは深刻だ。痴漢やこそ泥と違って、ニュースをもとにしたインサイダー取引疑惑。この病巣は深い。

業界から出ていってくれ

   NHKは昨日(1月17日)、報道部記者ら3人が証券取引法違反(インサイダー取引)の疑いで、証券取引等監視委員会の調査を受けていることを明らかにし、橋本元一会長が謝罪した。

   内容は、報道部記者ら3人が昨2007年3月8日、牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーが、回転ずしチェーン「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイトと資本提携するというニュースが放送される直前に、カッパの株を購入して翌日売り抜け、10万円から40万円の利益を得た疑い。

   このニュースは、会社が発表する15分前に放送されたスクープで、3人は社内の端末で事前にニュースを知り、株を買ったとされる(1人は否定)。

   3人は、

   報道局テレビニュース部制作記者(33)
   岐阜放送局放送部記者(30)
   水戸放送局放送部ディレクター(40)

と、社歴も所属もバラバラ。このニュース取材にも関係なく、また互いに連絡もとっていない。ここが肝心なところだ。

   つまり、ニュースをもとに株取引をしてはいけない、という報道機関の鉄則を破った、あるいは知らなかった?人間が、同じネタで同時に3人もいたということ。このところ続いている痴漢などの不祥事とは、根本的に違う。大元のネジがゆるんでいるというしかない。

   大谷昭宏が「痴漢もわるいけど、ニュースからやったら、われわれの職業は成り立たない。だからもう、この業界から出ていってくれということになる」という。一方で「NHKは素晴らしい番組を地道にいっぱい作っているのに、それらが切られるようだと、それがまさに危機なんだ」とも。

   山口一臣も「特ダネとった記者はたまったもんじゃない。たかだか10万円のためにね。株に手を染めてはいけないと、明文化してないのがおかしい。うち(朝日)にはありますよ」

   いや、ばらばらに3人いたということは、4人目5人目6人目がいる、すりぬけている者もいるということだろう。大谷もいう。「他人名義で買えばわからない。そこはもう倫理の範疇だ」。NHKはそこがもう、崩れているということなのだ。