エイガ探偵団

誘拐された娘のためとはいえ ここまでやりますか(96時間)

2009/9/ 5 09:34
(C)2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions
(C)2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions

   <96時間>タイムリミットは96時間。時間に間に合わなければ娘は2度と戻ってこない。>

   パリでの旅行中に誘拐され、人身売買に巻き込まれた17歳のキム。愛する娘を救うべく、元秘密工作員の父親は己のすべてをかけて娘を助け出そうとする。

   史上最強のパパここに誕生。トランスポーター3といい最近のリュック・ベッソン映画は当たりが多い。リーアム・ニーソン演じる元秘密工作員の父親は「必要ならエッフェル塔でも壊す」というくらい、娘のためなら手段を選ばない男だ。とにかくためらわず人だって殺すし、車だって壊すし、道路もめちゃくちゃにする。しかもかつての仲間すら利用し、愛する娘のためなら罪悪感があろうと躊躇もしない。

   相手に電流を流して拷問をかけるときも、頭から殺すつもりである。それは娘が最後に残した携帯電話を通じ、相手に「容赦はしない」と言ったこととあたっている。格闘シーンではリーアム・ニーソンほんとに50代かというぐらい強い強い。相手の骨の折れる音がしまくっている。よって、かなり痛いシーンもあるので心得ておくべきかもしれない。

   この映画のすごいところは、主人公がたった1人で巨大な売春組織と立ち向かっているところだ。元秘密工作員だからって、それがとても昔の話とは思えないくらい現役ばりに俊敏に動く。冒頭、必ず毎年誕生日にはプレゼントを用意し、キムの姿を写真に収める。それをアルバムに貼って、そっと夜中に眺める姿は、ほほえましく切ない。誘拐事件さえなかったら、彼は優しさ溢れるただのどこにでもいる親ばかでしかなかっただろう。

   ストーリーもなかなか良かった。携帯電話に残された声と、数少ない特徴から犯人を割り出していく面白さ。シンプルでわかりやすいが奥が深い。しかしその中でも、「なるほど」と納得してしまう巧妙な作戦の場面もある。

   数々の「愛」の形を映画で見てきた。恋人同士の愛も、家族愛も、動物愛も。今回は父親と娘という形だが、それは、己の命だって犠牲にできるほど深いものらしい。実行できるかは分からないけれど、どんな父親にだってそれはあることかもしれない。

   娘を心から愛している――私もそんな父親に愛されてみたい。<テレビウォッチ>

PEKO

オススメ度☆☆☆


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