テレビ番組も「政権交代」 今起きている潮流

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<テレビウォッチ> 半世紀に及んだ自民党政治から政権が取って代わられて一か月が過ぎた。

   政治が大きく変わった今、変化の時期を求められている社会がある。

   それは、テレビ業界だ。

   国民を総バカにしたといわれながらも視聴率至上主義で番組を作り続けてきて、こちらも半世紀が過ぎた。今、テレビ業界内でも、己の功罪と時代の流れを踏まえ、そろそろ本腰を入れて変革をする時期だと声高に唱える人が増えてきた。

バラエティーより政治?

   ワイドショーなどでコメンテーターとしても出演しているある映画監督は、テレビの格差社会が起こると指摘する。これまで政治家がスタジオで指針について語る番組の視聴率は低かった。同じ時間帯に放送しているバラエティー番組にはどうしたって勝てなかった。しかし、今逆転現象が起きている。視聴率が高いのは、人気タレントが多く出演する番組よりも政治家の出演番組だ。監督は、視聴者の格差社会をこう言い切る。「時代が変わろうってのに、ガキタレがギャーギャー言っている番組見ている視聴者は時代についていけなくなるんじゃないか?」

   人気タレントをガキタレと言い放った監督だが、出演者側からも同様の意見が聞かれる。今の日本の芸能人はこのままでいいのかと自問するのは、20年にわたって冠番組を持つ大御所芸人。収録が終わったある日のこと、身にしみて感じている言葉があると彼は話し出した。

「日本のタレントの才能なんてさ、海に浮いた氷山の一角だよ。ハリウッドを見てみな。大きな氷山の中から突き出た一部分で勝負をしている。日本のタレントは笑いさえ取れればそれでいいと思っている。でもハリウッドには、笑いがとれる司会ができて、歌も踊りも披露できる本業は俳優っていうヒュー・ジャックマンみたいな人がゴロゴロいるじゃない」

出演者側からの危機感として、大御所芸人の某氏は、芸の肥やしを持つタレントが少ないことを嘆き変化しなくてはいけない時期だと語っていた。

   それでは制作陣はどうか? 最近聞かれるのは、硬派な大人の教養番組の企画案。「どうしてテレビで漢字の書き順をいまさら教わらなくちゃならないんだ?」「バカを見て笑うのにも視聴者だって飽きただろう」「テレビ文化論って言葉はどこに行ったんだ?」。世界が刻々と変化していく中、日本だけがぬるま湯の井戸の中でゲラゲラと笑っている。これでは井の中のゆでガエルになりかねない。

   意気揚々と硬派な番組を制作すべく開かれた企画会議。しかし制作陣はある壁にぶつかった。キャスティングの難航だ。オピニオンリーダー、世界情勢、経済状況について話ができるタレントや俳優が少ないのだ。会議の際、今の日本の芸能界は人材不足だ、との言葉が幾度となく繰り返された。これまでテレビを作ってきた己が招いた当然の結果に嘆くことになった。

   政権交代を求めた日本国民。いま世界中で求められているのは、現状からの「変化」だ。誕生から50年以上たったテレビ業界が刷新される日を迎えるべく、私たちは挑戦をしつづけていかなくてはならない……

モジョっこ

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