言わずもがなの酒井法子初公判の大騒ぎである。つくづくこの国は平和ボケしている。オウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)の事件のように、国の根底を揺るがすテロ事件の主犯裁判ならば無理もないが、1タレントの覚醒剤事件に大騒ぎのし過ぎである。もっと他にやることがあるだろう。まして、この日は新政権の総理大臣施政方針表明演説が行われたのに、のりピーでもあるまい。
息せき切って女や男の記者が法廷から出てきて、「被告人質問の最中です」と二言三言伝えるだけ。全部が終ってから伝えても十分なのに、なんで秒を争うのかわからない。百歩譲って判決の時ならば、1秒でも速く他社より先に結果を伝えたいと思うのも理解できるが、記者連中が己の忙しさに酔っているだけのバカバカしい茶番である。
かつて筆者は、護国寺境内で起きた春奈ちゃん殺害事件を、媒体の用意してくれた傍聴券で取材した体験をもつ。日当5000円で雇われた多くのアルバイトが並んでくれて、やっと1人分の傍聴券が得られた。今回のように倍率が高いとリポーター用の傍聴券を得るために多額の費用を使っているはず。勿体ないことである。
キー局の合計視聴率が20%を越えるのりピー報道とは、言ってみれば、2000万人ものヒマ人が、真昼間から、テレビの前でポケーッと座り、リポーターのドタバタにうつつを抜かしているということである。これは相当怖いことだ。日本国、大丈夫なのか?
(黄蘭)

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