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「元官房長官」武村正義もビックリ 小沢金脈今こそ検証を(下)

から続く>今週号のどの週刊誌を見ても、小沢一郎関連の記事は似たり寄ったりで、読む気が失せる。

   朝日のように敢然と小沢擁護・検察批判をしているものもあるが、それとて内容に深みがあるわけではない。

文春「カネの出所はどこなのか」

   現場の編集長は困っているに違いない。小沢VS.検察だった構図が、3人の元秘書の逮捕で、小沢・民主党VS.検察の全面戦争になったのは興味津々だが、漏れてくる情報が少なくて、書きようがないというのが正直なところだろう。小沢批判するも、検察批判するも、新聞が書きまくっている、検察側からの「リーク情報」らしきものに頼るしかないのだ。

   こうしたときこそ、各誌編集長の腕の見せ所なのだが、新潮も「民主党を道連れ 敗北の暴君『小沢一郎幹事長』」と、「敗北」と付けたのが「腕」なのだろうが、内容はどっちつかずである。

   文春は「小沢一郎は民主党にはいらない 若手代議士『たった一人の叛乱』」。なかで、今回の事件のキーマンである小沢の元秘書で衆議院議員の石川知裕容疑者に、光市母子殺害事件の弁護をした、安田好弘、岩井信という人権派弁護士がついたと報じている。また、細川政権時、官房長官を務めた武村正義氏に「小沢さんが、政治献金で土地を購入したという事実は驚きです。本来、政治活動に使うべきカネで、次々に土地を買うなんて話は聞いたことがない。なぜ、小沢さんはあれほど巨額のカネをもてるのか。カネの出所はどこなのか。国民から見たら疑問だらけです」と語らせている。

「角栄研究」の手法再現も

   民主党の渡部恒三氏もいっているように、ここがポイントである。細川政権時代に、政治資金規正法の大幅改正をして、その裏も抜け道も知り尽くしているはずの小沢氏が、なぜ、検察に手を突っ込まれるような不可解なカネの動かし方をしたのか。

   上手の手から水が漏れたのか。権力奪取のための裏金作りに狂奔したため、どこかで虎の尾を踏んでしまったのか。

   かつて、立花隆氏は「文藝春秋」で、時の権力者田中角栄総理の金脈を、表に出ている資料を基に分析する調査報道で、田中を辞任に追い込んだ。今こそ、その手法を使ったらどうか。できうる限りの表に出ている資料を集め、徹底的に専門家たちに分析してもらう。場合によっては、自民、民主の国会議員に入ってもらってもいい。その結果、小沢に罪無しと出たなら、それを堂々と書けばいい。

   今のように、一方的な検察サイドからだけの情報で、あれこれいい合っていては、読者に飽きられてしまうだけである。

   十数億の「子ども手当」を母親からもらった鳩山氏。ゼネコンからの多額の裏金をもらっていたという疑惑をもたれている小沢氏。政治家とカネの問題に終止符を打つために、週刊誌の知恵とカネを使うのだ。期待している。