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無差別殺傷とネット書き込みと傷心 「犯行の理由にならない」

<テレビウォッチ>秋葉原無差別殺傷事件の公判がはじまった。番組によれば、弁護側は冒頭陳述で被告の「生い立ちとネット掲示板」に着目してほしいと訴えたという。

10年前なら…

   「生い立ち」のほうは言われるまでもなく常に注目されるが、目新しいのは後者だ。被告は(携帯)ネット掲示板が心の拠り所だったという。生活の不安や不満、自分のコンプレックスなどを書き込み、誰かからレスをもらうことで慰めを得ていた。その掲示板が「なりすまし」などの書き込みで荒らされたり、無視されたりするようになり、孤独感を強めたことが、犯行に大きな影響を与えたとも考えられている。

   「10年前ならこんなものは一笑に付されたかも知れませんが、今回裁判所がこうした若者のサブカルチャーをどこまで真剣に受け止めて、法廷で解明していくのか」と大村正樹リポーター。

社会的コストかかるだけでは?

   掲示板の哀しみと恨み、いかばかりか。裁判所はさておき、番組コメンテイター陣のほうは「一笑に付す」わけでもなかったが、「ワカモノのサブカルチャー」について下手なことは言いたくなかったのか、コメントも尻込み気味だった。そんななか、小笹芳央・リンクアンドモチベーション社長だけは、一切斟酌しないという姿勢が際立っていた。

「(被告のような)派遣労働者って山ほどいるし、ネット掲示板で孤独を感じた人なんて数え切れないほどいる。そんなことはまったく(犯行の)理由にならないと思う。彼特有の問題であり、(裁判で明らかにすべき)理由なんかあるのか。責任能力を争うという弁護団の姿勢も、裁判が長引いて、社会的コストがかかるだけではないか」