2024年 3月 29日 (金)

「次世代照明ウォーズ」また追い越される開発国・日本

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   次世代照明をめぐる熾烈な闘いが始まっている。発光ダイオードを使った「LED」、面全体が光る「有機EL」といった、寿命が長く消費電力が少ない照明機器だ。開発したのは日本だが、各国の追い上げがはげしく、ビジネスでもトップを守れるかが懸念されている。

LED、有機ELで2兆円市場

   LED電球は昨年から発売され、まだ1個3000円程度と高いが、消費電力は従来の6分の1で10年もつ。トータルで見ればはるかに安い。全店の照明をLEDにしたあるハンバーガーチェーンは、電気料金を年間80万円削減できるという。

   LEDは製造が簡単で、全部の部品を自前で作る必要がないから、電気メーカー以外の参入もある。そこに海外のメーカーも加わる。

   韓国のSAMSUNGは日本国内の大規模商業施設などに売り込みを始めている。大量生産で価格を抑え、日本製の半額だ。韓国政府の後押しがそれを可能にしている。工場建設には減税、官民による研究機関が新製品の開発を続ける。

   6月開かれた広州国際照明展覧会では、中国メーカーの急成長ぶりが目を惹いた。中国政府はLEDを国家重点プロジェクトとして、各地に生産拠点を作っている。企業への資金提供も手厚く、雇用も生み出すとしている。

   これらはすべて2020年に2兆円規模になるといわれる世界市場をにらんだ動きだ。これに比べて、日本の動きは鈍い。経産省は「日本も今やらないと間に合わない」と、将来有望な企業を支援する補助金300億円を確保したが、対象は40社にすぎない。

   日本はこれまでにも、液晶パネル、DVDレコーダー、カーナビをつくり出しながら、その後どれも後発に追い抜かれている。なぜか?

   東大の小川紘一特任教授はこう解説する。

「理由は2つあります。液晶パネルでは果敢な設備投資が必要だったのですが、政府のサポートはありませんでした。カーナビとDVDはデジタルだから世界的な分業構造になることが必至だったのに、日本企業はそれを理解できなかったのです」
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