2024年 3月 29日 (金)

【感涙戦評】剛の興南が、柔の報徳を捕らえた!

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8/20 第1試合▽準決勝▽興南 6-5 報徳学園
興|000 031 200|6
報|140 000 000|5

    剛が柔を退けた。終盤は1点を巡る好ゲームだった。先手を取ったのは報徳学園だ。1回、豪腕の島袋から八代が中前安打する。バントで送ると中島が一塁を強襲して1点。2回には下位打線が好機をつくり、バント、三盗で島袋を揺さぶる。2つの四球を選んだ2死満塁で中島が走者一掃の中越え三塁打。なおも越井が右前打し、この回4点を奪った。

「逆転の報徳」思い出させる、序盤の攻め

    報徳の攻めは多彩だった。1点に終わった1回は二塁走者とのヒット・エンド・ランを仕掛け、2回にはスクイズを交えて果敢に攻めた。島袋のペースを乱そうとしたいかにも報徳らしい陽動作戦だ。かつて第43回大会(1961年)で倉敷工と対戦、延長11回に6点取られながらその裏6点を奪い返し、12回にサヨナラ勝ちした実績がある。それ以来、報徳のしぶとさは甲子園の伝説なっているが、立ち上がりの仕掛けはまさに報徳の技だった。

    動揺したはずの島袋も大したものだ。3回から得意の速球を軸に立ち直って味方の反撃を待つ。興南は中盤から反撃に出た。5回、島袋の安打をきっかけに慶田城、我如古の連打などで3点。6回には島袋が打ってじりじり追い上げ、7回に我如古が同点三塁打。代わった田村からも真栄平が適時打してついに勝ち越した。積極的な打撃と鋭い当たりが大西に重圧をかけていったようだ。両チームの攻防はお互いに持ち味を出し切って見応えがあった。

    報徳は29年ぶりの決勝進出を逃し、興南は春夏連覇へあと1勝にこぎ付けた。

岡田 忠


岡田 忠(おかだ・ちゅう)プロフィール
スポーツジャーナリスト。1936年広島県生まれ。立命館大学卒。朝日新聞社東京本社編集委員を96年に退職して現職。高校・大学では野球部に所属し投手をつとめる。高校野球のテレビ解説経験も豊富。

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