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竹原信一・阿久根市長の強引さ「間違ってない!」コメント陣

   鹿児島県阿久根市の『ブログ市長』が僅差で失職した。竹原信一市長(51)の解職(リコール)について賛否を問う住民投票が5日(2010年12月)に行われ、賛成票7543票、反対票7145票で失職が決まった。

   コメンテーターからは「多少強引でないと実現できない課題」と、竹原前市長の考え方に賛同する意見が相次いだ。

市税収18億円 人件費23億円

   阿久根市は住民の3人に1人が65歳以上の高齢者で、第3セクターの鉄道が1時間に1~2本しかなく、住民も「死んだ町」だという。


市財政回っていかない

   陸の孤島とも呼ばれる阿久根市の問題が話題に上るのは、単なる市長VS議会の争いではなく、国や全国の地方自治体が抱えている問題の『縮図』だからだろう。

   竹原市長が攻撃の口火を切ったのは昨年2月。ブログで半数以上が年収700万円を超える職員の給与明細を公開してからだ。退職金などを含めた人件費が年間約23億円、これに対し税収は約18億円。ない袖は振れないと、市長は人件費の削減と議員定数を16人から8人に半減する提案を行い、議会と激しい対立になった。

   議会が市長不信案を提出し可決されたが、市長も議会の解散で対抗。その結果行われた市議会選挙では反市長派が過半数を超え、反市長派が多数を占めた議会が提出した2回目の市長不信任が可決。市長は失職したが出直し市長選に出馬して再当選。擦ったもんだの末のリコールで竹原市長は再び失職となった。

マスコミを敵に回した

   司会の赤江珠緒が「人件費が23億円に対し税収は18億円。これでは市財政は回っていかないと思いますがね」と口火を切った。

   これにジャーナリストの鳥越俊太郎が次のように話す。

「この問題は、阿久根市だけでなく全国どこでもある。もともと公務員給与は人事院勧告で毎年上がっていくようになっている。高成長時代はそれでもよかったが、不況で民間がダウンして官民格差が開いてきた。
   竹原市長はそこを変えようとやってきたのだが、やり方が強引でマスコミを敵に回し批判された。ただ、竹原市長がやろうとしていることはその通りだと思う」

   経済アナリストの森永卓郎も同調。

「まともなルートでやろうとすると、議会が絡む場合は話が進まないという現実がある。ある程度強引さがないと物事が変わらない」

   来年1月に出直し市長選が行われるが、竹原前市長は「これを糧にして再出馬する」と強気の姿勢を崩していない。市議会のリコールも現在審査中という。竹原市民はどう判断するか。