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やたら元気な菅首相―民自手詰まり見越して「延長戦も打席に立つぞ」

   民主党の枝野官房長官ら幹部6人がきのう(2011年6月20日)夜、2時間にわたって菅首相と会談して退陣時期を明確にするよう迫ったが、首相は明らかにしなかった。前夜にも同じメンバーで1時間半。なにが首相を動かしているのか。

野球は9回裏なのに…

   きのうようやく復興基本法が成立した。阪神大震災の時は1か月後だったが、もっと被害が大きい東日本大震災は3か月かかった。岡田幹事長は野党との幹事長会談で国会の会期延長を申し入れた。岡田は延長を最長10月20日ころまでとし、菅が特例公債法案や第2次補正予算、再生可能エネルギー促進法案の成立に関心があることを伝えたが、自民党の石原幹事長は「4か月も首相の延命に手を貸すことはできない」と反発している。岡田は「延長が延命になるわけではない」としているが、国民新党の亀井代表が「家老が殿の首を差し出すなんて、こんな党がかつてあったか」と発言したりして、まさに迷走状態だ。

   司会の小倉智昭「産経新聞に、野球は9回裏なのに菅さんはまだ4回くらい打席に立つつもりでいるとあったので笑っちゃいましたよ」

   竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)「法律通す条件に、総理大臣辞めるかどうかというのはおかしい。公債や2次補正を出さないと復興は進まないとわかっているのだから」

   小倉「菅さんでしばらくはいくと?」

   竹田「いいか悪いかは別として、辞めるか辞めないかを軸に与野党、マスコミが動いているのがおかしい」

   小倉「菅さんがなんでこう言われるようになったのかがわからない」

自然エネルギーで実績残したい

   それにしても、このところ菅は元気だ。番記者は8日の再生エネルギーの会合で菅が明るい笑顔なので驚いたというが、実は変化もっと前にあった。5月14日のソフトバンクの孫社長との会談だ。3時間にわたって自然エネルギーについて論じ合ったらしい。「これから明るくなった」という。「朝のおはようという声も大きくなった」

   別の政治記者も「ここへきて、何か功績を残したいという思いでいるのではないか。それが自然エネルギー」ともいう。この文脈で脱原発をテーマに解散に持ち込むという観測もしきりだ。笠井信輔アナがこれを図解してみせたが、竹田は「自然エネルギーは付け焼き刃ではなく、昔から。それが功績と結びついたのだろう。衆参で200人くらい賛同者がいる。その一方で、原発を再開するといってるから矛盾してる」

   小倉「菅さんが続けたらなぜ政治が動けないのか。政治家はそう言うが、私たちにはどうしても見えない」

   たいしたタマじゃないことはわかったんだけど、じゃあ誰ならいいのかとなると、やっぱりいい加減だ。有権者はちゃんと見ているぞ。