両親・肉親失った子供2万人以上―大震災の過酷体験綴った作文
2011.06.25 18:00
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東北・北関東を襲った大地震とそれに続く津波で、両親や肉親を失った子供は2万人以上といわれる。「クローズアップ現代」は被災した子供たち80人が綴った作文を取り上げた。
国谷裕子キャスターは「肉親や両親、あるいは親しかった友達を失いながらも、避難所で配膳の手伝いをするなど健気な子供たちが多くいます。こうした子供たちの姿を見て、大人が逆に励まされている。この子供たちの将来をどう作っていってあげるのか、私たち大人が問われているのではないでしょうか」と語り、フリージャーナリストが呼びかけた震災当日の体験、想いを綴った作文を紹介した。
「お父さんが帰ってこない」
紹介された作文は率直な言葉で、過酷な体験が語られている。宮城・石巻の小学校6年生の児童は、救援作業に従事した自衛隊員に「暖かいお風呂をありがとう。忙しいのに遊んでくれたお巡りさん、ありがとう」と記していた。同じ石巻市で自宅が半壊した鈴木智幸さん(小学6年生)は、「地震直後にお爺ちゃんが迎えに来てくれた。家に帰ると津波が来た。それで、お父さんが会社の様子を見てくると出かけ、帰ってこない」と話すが、その表情は決して暗くない。智幸さんの父親は社会人野球の選手で、お父さんを超える野球選手になり、いずれは楽天イーグルスに入団したいと考えている。
ゲストの重松清(作家)はこう語る。
「被災した子供たちに作文を書かせるのは、過酷な体験をした子供たちにもう1度辛い思いをさせるという見方もあると思う。でも、ここで書いておきたいと思っている子供たちがいるはず。そういう子供たちのために、大人は自由に表現できる場を提供するべきだ」