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和牛投資の「安愚楽牧場」ピンチ―原発被害か運用失敗か

   放射性物質のセシウムに汚染された稲わらを食べた牛肉問題は拡大するばかりだ。昨日(2011年8月2日)は宮城、福島、岩手に続いて、栃木県にも牛の出荷停止が指示された。「和牛オーナー制度」も運用が行き詰まり、数万人単位での被害が生じようとしている。

5~7%の高利回りうたった金融商品

   営業停止状態に陥ったのは栃木県那須町に本社を置く和牛畜産業「安愚楽牧場」だ。井上貴博アナウンサーは「汚染牛肉が全国的に流通しているため牛肉の消費が落ち込み、風評被害が追い打ちをかけ、これまで出荷を見合わせていたといいます」と説明する。負債総額は約620億円。「朝ズバッ!」が本社や東京支店を訪ねると、社内の電気は消え人影がない。

   安愚楽牧場のオーナー制度は、繁殖牛のオーナーになって生まれた子牛を同牧場が買い取るシステム。

「安愚楽牧場は全国40か所に自社牧場を持ち、会員数は3万人。年間の配当金は投資額の5%から7%の高利回り金融商品となっていました」(井上)

経営悪化の直接原因は―

   司会のみのもんたが「これは原発事故による損害賠償の対象にならないのか」と言うと、元東京地検特捜部副部長の若狭勝(弁護士)は「原発事故で経営危機に陥ったならば賠償の対象になる。でも、事故前から経営が悪化していたなら、賠償の比率は変わってくるでしょう」と解説した。

   コメンテーターの内野雅一(週刊エコノミスト編集委員)「投資家たちの気持ちも分かるが、投資には常にリスクがあるということを忘れてはいけない」