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「香川照之」 歌舞伎に踏み切らせた父・猿之助と『映画のような愛憎』

   渋い演技で人気の俳優香川照之(45)が歌舞伎の世界に入ると発表した。香川の父は市川猿之助(71)で、女優の浜木綿子と結婚したが、香川が3歳のときに離婚し、以来、猿之助とは疎遠だったという。

   香川は東大文学部を出て俳優になり、このたび9代目市川中車を襲名するという。息子の政明(7)も5代目團子を継ぐ。発表の席には猿之助も顔を見せた。

「お前はオレの息子じゃない」

   香川は「歌舞伎の世界とは無縁に過ごしてきたのは、みなさんご存知の通りです。市川宗家、松竹、お客様の支えがあって成り立つ世界だということも重々承知しております。そこへ素人が入っていいものかと怖くてたまりません。しかし、この舟に乗らないわけにはいかないんです。それがボクの人生だと決めました」と話す。

   これにはちょっと説明が必要だ。父の猿之助は大掛かりで奇抜な仕掛けとアイデアで 「スーパー歌舞伎」と呼ばれ一斉を風靡した。61歳のとき藤間紫と再婚したが、8年前に脳梗塞で倒れた。

   猿之助は香川が大学を卒業して会ったとき、「お前はオレの息子じゃない」と言ったといわれているが、その後、藤間が2人を仲介したらしい。一昨年、藤間が亡くなったとき、香川は葬儀に出ていた。

   そしてこの日、香川は「実はこの春から父と同居しております」と明かした。45年間無縁だった父との同居を「映画かよ」と表現したが、「24時間一緒にいて、いろいろ見てきました。どう接していいのかわからないこともあったが、 濃い血が流れていると思うので」と、これが核心だった。

   ではなぜ今の時期に……。香川は「息子の名に政の字を付けた。父も祖父も曾祖父も付けていた文字。偶然ではありません。意図がありました」と話した。(息子が)歌舞伎の世界で立つには、いまからという事なのだろう。

「母(浜木綿子)が許してくれたことに感謝」

「一番心を痛めているのは母かもしれません。しかし、この舟に乗らないわけにいかない。ごめんね、我慢してくれと。母が許してくれたことに感謝してます」

   最後に猿之助が不自由な身体をおして登場した。香川に支えられながら、「浜さん、 ありがとう。恩讐の彼方のかなたに、ありがとう」といった。

   司会の加藤浩次「45歳ですごいチャレンジですね」

   キャスターのテリー伊藤「かつて猿之助さんが『お前はオレの子どもじゃない』と言ったのも、浜さんに対するやさしさだね。浜さんが香川さんのデビューをどんな気持ちで見るか、聞いてみたい」