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岩手「雪っこ」やっとこぎつけた新酒出荷―ラベルに「ご支援感謝」

   岩手・一関市できのう17日(2011年10月)、 酔仙酒造の「雪っこ」が出荷された。震災から7か月以上。金野靖彦社長は「ようやく出荷にこぎつけました」と声を詰まらせ、「新しい会社、新しい体質を作っていくんだと、みんなでがんばりましょう」と挨拶した。

津波で酒蔵も社屋も全壊 従業員7人犠牲

   「雪っこ」は濁り酒。名前のように真っ白で、甘口、とろみがある。震災前は酔仙酒造の売り上げの3分の1を占めていた。今回、出荷される缶入り「雪っこ」は4万5000本。 例年の3分の1だが、現状ではこれが限界という。

   金野社長は「今日は第一歩。作ったよ、できたよ、これしかないですね」

   できばえは 「水も違う、機械も違う中で、杜氏は謙遜して65%といっていたが、私は90%、100%だと思う」と話す。

   新しいラベルには陸前高田市の復興のシンボル「一本松」が描かれ、「ご支援に感謝 再デビュー」「福幸生原酒」「一生懸命つくりました」とある。

   陸前高田市の酔仙酒造は3月11日の津波で酒蔵も社屋も全壊、従業員7人が犠牲になった。「「朝ズバッ!」が4月に取材した時は、一面がれきの中で金野連・常務は「とりあえず酒をつくって出すこと」と話した。

酒造工場借りて8月に仕込み

   杜氏たちは全員無事だった。崩れた社屋の鉄骨にひっかかっていた「酔仙」の酒樽が勇気を与えてくれた。しかし、再建は容易ではなかった。まず酒蔵を貸してくれる同業者を探して一関市の酒蔵「玉の春」の工場を借り、醸造を開始したのは8月だった。例年なら10月1日に新酒の出荷が始まるのだが、8、9月が暑すぎたのと、機械の不具合で仕込みが10日以上遅れ、出荷も2週間以上遅れてしまった。陸前高田には待ちわびている人たちがいた。さっそく乾杯して口に含んで、「うまい!」

   スタジオにも届けられていた。司会のみのもんたはさっそく封を切って、トロっとしたのをコップに移して、 「あー、香りが…。朝の番組で飲むわけにはいかない」といいながら、口へ持っていったもんだから、スタジオからは「アーッ」

「飲みませんよ、なめるだけ。これはひと口含んだら、病み付きになります」