2024年 4月 20日 (土)

石川遼の前途危うくする「困った親父」記事気に入らないと記者足蹴り

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「震災後もなかなか変わらない日本ですけど、私はこれから日本を変えるのは、若者じゃなくて、60代以上の方の力だと考えているんですよ。というのは、いまの60代は、お金も時間もある。いわば『現代の貴族』なんです。そういう人たちこそ、日本はどうあるべきかを真剣に考えるべきだと思うんです。明治維新の革命児たちは若者だったけれど、彼らの背後には、若い彼らを抜擢したり、脱藩しても許した藩主、長老たちがいたわけでしょう。脱・ブラック化の主役は、60代ですよ」

「60代に期待」なんて…若手論客は語るだけじゃなく行動しろよ

   これは「週刊現代」の瀧本哲史と與那覇潤の対談「『ブラック国家』と化した日本」の中の瀧本の言葉である。瀧本は『武器としての決断思考』(星海社)などの著書がある京都大学客員准教授で投資家。與那覇は愛知県立大学准教授で『中国化する日本』(文藝春秋)が話題になっている若手論客2人である。

   瀧本はブラック企業ならぬブラック国家に日本はなっていると唱える。忠誠心だけが強調されて、支配されていることに誇りを持った不思議な人たちが、小さなルール違反を血眼になって取り締まる国家だという。そうした日本を変えるのは自分たち若者ではなく、60代の年寄りたちだというのだから、言うも言ったりである。

   自慢じゃないが私は高齢者だが、時間はあるが金はない。いまのような日本にしてしまった責任の一端はあるが、先が短いから目先のことしか考えられない。だいいち考えようにも記憶力も思考力も落ちてきているから、考えがまとまらないのだ。

   若き論客さんたちよ。年寄りに大きな期待などせずに、自分たちが日本を変えるぐらいの「大志」をもって、語るだけではなく行動してもらいたいものだ。そうすればわれわれ年寄りたちは喜んで、あんたたちの屍を拾うボランティアぐらいはするよ。

しずちゃん「頭部異常」記事にすべきだったか五輪まで待つべきだったか

   ロンドンオリンピックを目指してトレーニングに励むお笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代(33)は、人気タレントということもあって大きな注目を浴びている。しかし、2月の全日本女子選手権では優勝したものの、3月の女子アジア選手権(モンゴル)では1回戦で格下で17歳年下の韓国人ボクサーにボコボコにされ、レフリーストップで敗退してしまった。彼女にとってオリンピック出場最後のチャンスは、5月に中国で開かれる世界選手権でベスト8に入ることだが、かなり難しいとの見方が多い。

   そこに「数か月前からしずちゃんが、頭部の検査で異常が見つかったようだ」と囁かれていると「週刊朝日」が報じた。朝日が取材を進めると、日本ボクシングコミッションが指定する病院の医師が、自覚症状はないが頭部のCTスキャンの結果、脳に水がたまったような薄い影が見られたため、別の病院でMRI検査をするように伝えたと話す。MRI検査で脳の影が確認されたため、しずちゃんはプロへの道をあきらめたが、その後のMRI検査で影も消えたため、アマチュアでオリンピックを目指すことにしたという。

   ボクシングは危険なスポーツである。アマはヘッドギアをつけて試合をするため頭部へのダメージは少ないとはいうものの、安心はできない。スポーツ医療関係者は、命懸けでやるという選手を止めることはできないが、選手自身が過去にそうしたことがあったと開示するべきで、その都度、精密検査を受けて本当に問題がなければ堂々と試合に出たらいいと話す。

   だが、しずちゃんはそのことを隠していた。朝日は「これは命にかかわる問題である。しずちゃんが『命懸け』であっても、本誌は知らないふりをすることはできない」と、しずちゃんのトレーナーや彼女の母親、本人に直撃するのである。母親は元体育教師だったこともあって、ほかのスポーツと違ってボクシングが危険なことは承知しているが、彼女が必死に頑張っているいま、そのことは書かないでくれと話す。当のしずちゃんは最初は落ち着いて答えていたが、次第に語気を強めてこういった。

「ボクシングって、誰がやっても危険じゃないですか。危険を伴うスポーツなので、何が起こるかは誰もわからない。これ、記事になるんですか? (異常は)言いたくないし、そういう目で見られたくない。記事を書かれて、もし世界選手権の出場がダメになったら嫌なんです」

   この記事が出ることによって、本当に彼女が世界選手権に出られなくなったら…。そう考えると、週刊朝日編集部も躊躇したのだろう。彼女の夢を奪うことになるかもしれないからだ。こうしたとき、記事にはせず、彼女にいまいちどMRI検査を受けさせ、もし異常なしとわかればよし、異常が見つかった場合は引退させ、その後、その間の経緯をすべて書くという方法もあったとは思う。私が編集現場にいたらどうしただろうか。悩ましい問題を抱えた記事である。

キャディー、大会関係者目撃―なぜか抗議しない日刊スポーツ

   20歳のプロゴルファー・石川遼も窮地に立っている。これも文春、新潮の両誌が報じているが、遼の「傲岸チンピラ親父」が日刊スポーツ紙の記者に「暴行」を働いたというのだ。新潮によれば、日刊スポーツが3月22日付けで「遼 米ツアー参戦へ、専用ジェットに家探し」と報じたことに遼の親父・勝美が怒り、フロリダに来ていた記者に訂正と謝罪文を掲載しろと迫ったという。現地の大会関係者がこう証言する。

「突然、壮年の男が記者のふくらはぎのあたりを右足で思い切り蹴ったのです。記者は抗議しているようでしたが、男はさらに激昂した様子で続けざまに3回ぐらい、同じ場所を蹴り上げた。(中略)その様子はキャディーやら大会ボランティアなど複数が目撃していますよ」

   こうまでされて抗議しない日刊スポーツもどうかと思うが、文春によれば、そうまでされた意地が4月8日付けのスクープ「遼 婚約&今オフ結婚」になったというのだ。

   昨年から1勝もできず、マスターズも屈辱の予選敗退。カワイイ婚約者もいるのに、この困った親父のおかげで遼の前途は洋々とはいかないようだ。

ここまでやればアッパレ!「ポスト」の中まで見えそうなヘアヌード

   最後に待望の軟派記事を紹介しておく。「週刊現代」はこのところ「無毛ヌード時代」をテーマにしてきているが、今週の袋とじでは「迫り来る無毛時代、その前に」として、日本人女性のヘアはこんなに濃かったと、こちらが心配になるほど「ヘア」を陳列して見せてくれているのだ。無毛といいながらの「ヘア・ヌード」満載グラビアで、技ありだね!

   「週刊ポスト」は「世界20か国400人の『女性器展』の制作現場」や「美人女医が課外レッスン SEXの新境地『中戯』を極める」、「斜陽産業 アダルトビデオ業界の意外な繁盛記」と3本もやっているが、活字だけでは迫力不足。「陰毛専用の整毛機『ヒートカッター』」で毛をカットしている写真まである。わいせつ感のない、これぐらい開けっぴろげなヌードグラビアは珍しい。見てもらうしかないが、アンダーヘアに隠された中までも見えそうな危ういけどアッケラカンとしたカラーグラビアは、こんな閉塞感のある時代への一服の清涼剤である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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