2024年 4月 20日 (土)

東電 渋る資産売却、急ぐ値上げ―身を切らず社員「天下り先」確保?

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   「値上げは権利」と豪語した東京電力の西澤俊夫社長が11日(2012年5月)、家庭向け電気料金の値上げを経産省に申請した。そのまま認められれば、標準家庭で月額480円、年間5760円のアップになる。

   当然、消費者から「東電は身を切る努力をしていない」と一斉に反発の声が聞こえてきた。たしかに、豪華保養施設や遊休資産処分など、いまだに身を切る努力が進んでいるようには見えない。

豪華保養所や都心部に使っていない空き地

   東京電力は熱海や鎌倉、大磯など、静岡県と神奈川県にまたがって4か所の豪華保養所を所有している。このうち売却済みは熱海の「東夕熱海荘」だけ。鎌倉の由比ヶ浜に近い「鎌倉荘」の資産価値は25億円ほどというが、まったくの手付かずである。東京スカイツリーの見える東京・足立区にある「千住資材置場センター」6万平方メートルは、現在、全く使用されていない。時価に換算すれば180億円というが、これも付近住民によると売却の動きはないという。

   東京・品川の1等地にある電力事業とは全く無関係の賃貸オフィスビル「芝浦アークビル」も売却されずのそのままだ。電力事業とどんな関係があるのか、都内に老人ホーム7か所を運営しており売却の気配すらない。

   東電はどのくらいの資産を売却する方針で、現在まで売却した実績があるのか。問い質すと、しぶしぶ出した答えが、2011年から3年以内に900か所の資産をおよそ2472億円で売却する計画。このうち現在の実績は約2割の500億円という。

3兆5000億円の公的資金注入も税金

   コメンテーターの前田典子(主婦モデル)がこう怒りを爆発させた。「値上げは権利という社長ですから、3兆5000億円の公的資金注入も権利なのかもしれませんね。総括原価方式でこういう箱モノの建築費や維持費も電気料金に組み込まれ、しかも公的資金注入は私たちの税金じゃないですか。ダブルで支払わされている。それなのにやることをやっていない」

   青木理(元共同通信記者)も「つくづく思うのは、破たん処理しなかったこと。今からでも遅くはない」と話す。資産処理を遅らせているのは社員の天下り先確保ではという声も出ているという。

   ただ、気になったのは番組リポーターが「32年ぶり値上げ」と発言していること。東電が原油代の値上げで頻繁に料金を引き上げているのは、値上げではないのか。普通の企業は原材料の値上がりを製品価格には反映させないよう努力する。それが経営者の努力なのだが、円高メリットを受けても値下げしたという話すら聞かない。

文   モンブラン
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