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身の毛よだつ「自殺の練習」の残忍さ―3階窓から外に上体出させて反り返り

   大津市で自殺した中2男子(13)へのいじめが大きく報道されるきっかけとなった「自殺の練習」は、身の毛がよだつような残忍さだった。きょう20日(2012年7月)の読売新聞が女子生徒の証言として伝えた。女子生徒は昨年9月以降だけで数回は見たという。

   それによると、亡くなった生徒は校舎3階の窓を背にして窓枠に手をかけ、外へ向かって上体を反らせていた。3人の生徒がそれを笑いながら強制していたという。全校アンケートでは、16人が「自殺の練習」と書いていたが、学校は「伝聞ばかり」と確かめもしなかった。目撃証言は初めてだが、この女生徒は学校への不信からアンケートには書かなかったという。

自殺直後、学校側「教職員60人から聞き取り」記録は残さず

   司会のみのもんた「こうしてヤミからヤミへ葬られてきたのか」

   吉川美代子(TBS解説委員)「本来、学校がやるべきことですよ。なんで今になって新聞の取材に答えているのか。先生にも親にも話せなかったという状況が怖い。自分がいじめられるからなんでしょうか」

   与良正男(毎日新聞論説委員)「自殺の練習なんてどういう動機で思いつくのかと、ネットを調べたら、そういう言葉があふれ返っている。『自殺に追い込む会』とか。動機を追ってほしい」

   大津の件ではきのうまた新たなことがわかった。自殺のあと、皇子山中学校は約60人の教職員に聞き取りを行なったが、その記録をとっていなかった。文部科学省はいじめなどでは記録をとるようにとの指針を示していた。

「自殺で子をなくした遺族グループ理事」が提言!わが子を守る10か条

   きょうのスタジオには、ジェントルハートプロジェクトの武田さち子理事が出演した。自殺で子をなくした遺族を中心にいじめ問題と取り組んでいる団体だ。言葉は明快だった。

―学校はなぜ隠すのかでしょうか。

   武田「隠した方が得だから。出せばペナルティーがつく。うまく隠せば出世できる」

―ペナルティーとはどういうことですか。

   武田「教師として失格とされ、講習所送りになる」

―今の学校はこんなものですか?

   武田「どこも同じことをやると思います」

―いつ頃からこうなったのでしょう。

   武田「はじめからそうです。隠したことにペナルティーはないですから」

   武田さんは「わが子をいじめから守る10か条」を提言していた。(1)子どもに「がんばれ」といわない(2)いじめられている子の身になって考える(3)教師はいじめのキーパーソン(4)「親子の信頼関係」を過信しない(5)子どもの命の危機を見逃さない(6)不登校や転校で安心しない(7)今のいじめは想像を絶すると知る(8)いじめによる心の傷を甘く見ない(9)「やりかえせ」といわない(10)子どもを加害者にしない

―教師がキーパーソンとは?

   武田「教師が真剣に向き合うと解決の可能性が高い。学校の協力が必要ですから」

―加害者に教師がバシンとやったらどうでしょう。

   武田「子どもは反省しない。先生が強いからだと思って、先生より強くなろうとする。問題起こす子は何かを抱えています。それを聞き取り、家庭のことも考えないといけない。親の価値観は影響が大きいですね」

―学校にお任せという家庭も多いですよね。

   武田「しつこいいじめをする子は、肉体的、精神的プレッシャー、親から過剰な期待をかけられていたりします」

   武田さんは最後にこういった。「いじめは加害者の問題。被害者にこうしなさいといっても解決はつきません。加害者をどうなくすかです。この問題に第三者はいないんです」

   こうまではっきり言う人を初めて見た。