2024年 4月 24日 (水)

2050年日本没落!世界に占めるGDP2%に低下―アジアの中の普通の国

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「二〇一〇年には、世界経済の五・八パーセントを占めていた日本のGNPは、二〇三〇年には、三・四パーセントになり、二〇五〇年には、一・九パーセントになる。経済成長のスピードも西ヨーロッパを下回り、今後四十年を通して、一・一から一・二パーセントで推移する。その結果、二〇一〇年には、アメリカの七割あった日本のGNPは、二〇五〇年には相対的に五八・三パーセントまで低下する」

   これは週刊誌ではなく、月刊誌「文藝春秋」に掲載された「英『エコノミスト』誌が分析した2050年の日本」からの引用である。この中で「エコノミスト」誌のヘンリー・トリック支局長は、日本には悲観論が蔓延しすぎているとし、こう話している。

「確かに日本は、過去二十年間、経済が停滞して、デフレに苦しめられてきた。しかしデフレにしたって、高齢化が進む社会においては、むしろ自然な流れだし、ことさら不自然な大問題かのように扱う必要はありません。それにこれまで二十年間経済が停滞したからといって、今後五十年間も同じように停滞すると考えなければならない理由はない。日本はイタリアやギリシャとは違います。ましてや、将来ギリシャになるとは到底思えません」

   今から50年前に同誌は、「驚くべき日本」という特集で、日本がいずれ経済大国になると予測してみせた。だが、今回の分析で日本に触れている部分は少なく、それに変わって中国の記述が多くなっている。

   プリウスに見られるように、日本のグリーンエコロジー技術の高さなど評価するところはあるものの、50年後の日本はアジアの中の一国に過ぎなくなっていると見通しているようである。

胡錦濤が仕掛ける「対日宣戦布告」中国権力争いに反日利用

   さて、今週も中国の脅威ものが目につく。中でも「週刊現代」の「日本人はもう覚悟したほうがいい 中国は本気だ」は、「週刊文春」の「日中『戦争』世界はどっちの味方か?」よりはるかにセンセーショナルなタイトルである。第1部は「中国人民解放軍230万人が攻めてくる」。おいおいそれでは全軍が攻めて来るというのかい?

   そう思いながら読んでいくと、中国の反日感情が相当根深く浸透していることがわかる。中国では9月30日は中秋節で、月餅を食べながら月を愛でるという習慣がある。これに合わせて、毎年「アワビ月餅」や「フカヒレ月餅」などが話題をさらうが、今年は反日月餅が登場したというのだ。「打倒小日本」「咬死小日本」(小さな日本をかみ殺せ)と記された月餅を家族で喰らったというのだ。

   また、10月1日から始まった国慶節セールでは「反日割引」なるものも登場した。消費者が商品を買う際、「魚釣島是中国的!」(魚釣島は中国のものだ)「打倒日本鬼子!」(日本の鬼っ子を打倒せよ)などと大声で叫ぶと、1割から2割程度割引されるというのである。日本製品のボイコットも深刻である。トヨタなどは前月比で半分近くも売り上げが落ち込んでいるし、日本への旅行者も激減している。こうした状態が長引けば、日本経済に深刻な影響が出るのは間違いない。

   さらに現代は、胡錦涛と習近平の権力闘争が激しくなり、胡が最後の手段を使って、習近平が中国人民解放軍を統轄する党中央軍事委員会主席のポストに就くのを阻止しようとするのではないかと見る。それが中国共産党の憲法ともいうべき「18条規定」適用である。中南海に勤める官僚がこう語る。

「胡錦涛及びその一派としては、習近平後継を阻むには、もはやこの『18条規定』を適用するしか手段がないと考えているのだ。非常事態とはすなわち、『対日宣戦布告』に他ならない。当初、党大会は10月18日開催でほぼ決定していたのに、9月末になって胡総書記の鶴の一声で、20日間、先延ばしにしたのだ。これは非常事態へ持っていく時間を稼ぐためだろう」

   現代は「日本人は、覚悟したほうがいい。尖閣有事はすぐ間近に迫っているということを。中国は本気なのである」と結ぶ。この記事を「そんなアホな。煽りすぎや」と一笑に付すのは簡単だが、この編集部には、中国に精通し、中国の要人の娘を奥さんにしている編集部員がいる。かなり確度の高い情報源があることは間違いないが、そうはいっても日中開戦はないと思うね。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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