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大げさな!ハリケーン・サンディでニューヨーク「無人の街」―日本なら強い熱低程度

   台風に慣れた日本人からすれば、「なんで?」といいたくなるほどアメリカ東海岸がハリケーンで大騒ぎだ。ニューヨーク支局の西橋麻衣子ディレクターと阿部知代アナが人っ気のなくなったけさ(日本時間2012年10月30日)のニューヨークをレポートした。

鉄道全面ストップ、証券取引所停止、38万人に避難指示

   西橋はレインコート姿で「マンハッタンのAP通信本社の屋上にいます」。ハリケーン「サンディ」は間もなくニュージャー ジーに上陸するというが、風はさほどでもない。しかし、「窓ガラスが飛び散ったりして、警察も外へ出ないように」と注意を呼びかけているという。

   1日に70万人が乗降するグランドセントラル駅の巨大なホールは人っ子一人いない。西橋が真ん中にポツンと1人立っている。公共交通機関が全部止まったのだ。ブルームバー グ・ニューヨーク市長は「危険なハリケーンだ。威力を増したり、進路によっては被害が出る」と37万5000人に避難指示を出した。

   ブロードウエーのタイムズ・スクエアも人影はまばら。地下鉄の駅も無人だ。証券取引所も取引停止となり、ウォール街から人影が消えた。天候を理由に証券取引所が止まるのは27年ぶりという。ハドソン川沿いでは遊歩道を水が洗っている。ビルによっては土嚢を積んだりしている。しかし、お隣はそのまんま。なんかチグハグだ。もともとアメリカの沿岸は多くが自然のままで、海辺に家が建っていたり、街の作りも高潮なんて想定していない。

   「サンディ」はキューバやハイチで60人以上の死者を出しているが、「とくダネ!」の映像はアメリカの映像とごっちゃになっていいて、どこで何がというのがよくわからない。「巨大ハリケーン」というがランクでは一番弱い1である。きのうも司会の小倉智昭が「950ヘクトパスカルで?」といぶかっていた。

   とことが、オバマ大統領は「大変な事態です」といい、各地で非常事態の宣言が出され、ノースカロライナでは市街地が冠水し、市民は「ホテルに泊まる。アバートは窓が多いから」なんて慌てている。 大学のキャンパスなどに避難している住人もいる。ダウンタウンでは建設中のビルのクレーンが風でひん曲がって倒壊の危険があると、新たな避難指示がでたりしているという。

   停電に備えた食品の買いだめも起こっている。停電するとガスまで使えなくなるおそれがある。 スーパーマーケットの水や野菜、果物などがどんどん品切れになっていた。漁師が漁に出られないのだから魚類は当然ない。

   西橋は「ニューヨークから210キロ南のニュージャージー州に間もなく上陸します。マンハッタンに通ずる橋が閉鎖されました。10州150万世帯で停電が起きています。被害は6000万人におよぶと見られています」という。ニューヨークは地下に送電線が走っているので停電が起こりやすいのだそうだ。

海水温高く季節外れの襲来

   気象予報士の天達武史は「季節外れ。この時期ここまで北上するのは珍しいですね。海水温が高いこともあると思います」と解説する。予報ではニューヨークから北へ、さらに東へと進むが、速度が遅いのと暴風域が広いため、メーン州からカナダにかけての被害が懸念されるという。

   小倉が「不思議な街ですね。人がいないのにネオンはキラキラしてる。台風には日本の方が慣れてますね」

   天達「高潮や暴風対策には強いです」

   宋美玄(産婦人科医)「スーパーで買いだめしてましたが、何日も前から来ることはわかってるんでしょう。急にいわれてもね」

   小倉「日本でも前もって全部ストップってのもありかもしれないね」

   そんなことしたらそれこそパニックになる。日本人はあきらめが悪いんだから。