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暴風雪8人死亡!妻先立たれ一粒種守って凍死した父親…長女「お父さんは?」

   先週末に北日本を襲った寒波は凄まじい暴風雪をもたらした。とくに北海道東部では雪の吹きだまりに立ち往生する車が続出し、車の中や車を捨てて助けを求める途中で8人が死亡した。

   中標津町ではおととい2日(2013年3月)夜、母親(40)と17歳から11歳までの3人のこどもが車ごと雪に閉じ込められ全員が死亡した。車は完全に雪に埋もれ、エンジンはかかった状態だった。排気ガスが逆流した一酸化炭素中毒だった。また、23歳の女性がおととい夜、父親に「立ち往生している」と電話したあと行方がわからなり、きのう朝、自宅近くで倒れて死んでいるのがみつかった。

ひな祭りのケーキ予約してた父娘2人暮らし

   湧別町では漁師の岡田幹男さん(53)と長女夏音さん(9)が牧場の倉庫の前で倒れているのが見つかり、女児は凍傷だけで助かったが父は死亡した。動かなくなった車から出て助けを求める途中で力尽きたらしい。幹男さんは2年前に妻を亡くし、この長女と2人暮らしだった。娘を守るように抱き凍死していた。近所の人も「ひと晩中吹いていたので探しようがなかった」と話す。

   司会のみのもんたが倉庫の写真を指して「このドアを蹴破れていれば…」

   菅野明子(弁護士)「娘さんは2年前にお母さん亡くして、今度はお父さんを」

   アナウンサーの加藤シルビア「助けられて『お父さんは?』と聞いていたそうです。ひな祭りのケーキを予約していたと」

   みの「ああ、自然の力の前には無力だね、人間は」

   網走と富良野でもそれぞれ歩いて帰宅途中の男性が死亡している。多くの車が吹きだまりにつかまって動けなくなっており、中には「16時間も閉じ込められた」という人もいた。車を出ると、地吹雪によって方向がわからなくなる「ホワイトアウト」という状態になりかねない。 雪に慣れていても怖いという。

この週末か気温急上昇で今度は雪崩れや出水

   こうした状態は東北でも同じだった。秋田新幹線の下り秋田行き「こまち25号」がおととい2日午後4時過ぎ、奥羽線神宮寺駅と刈和野駅間で吹きだまりに突っ込んで1両目が脱線した。徐行していたのでけが人などはなかったが、乗客130人は約6時間も現場で待機させられたあと、JRが手配したバスで新秋田駅に着いた。脱線車両はきのう現場から移動され、きょう始発から平常運転に戻った。

   秋田では25メートルの強風、青森では雪の重みで車庫や家屋の倒壊が続発した。木造平屋の倒壊で80歳の女性が一時閉じ込められたが救出された。屋根の雪は約1メートルだったという。1人暮らしで除雪が間に合わなかったらしい。

   気象予報士の森朗によると、この週末から今度は気温が上昇するので、雪崩や出水に注意が要るという。これもまた怖い。