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橋下大阪市長 3日で囲み取材再開―頭冷やして仲直り「夫婦げんか」かい!?

「じゃあ、囲み取材全部やめましょうか。いいですよ」

   日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長がそういって取材を打ち切ったのは先週金曜日の17日(2013年5月)だったが、きのう20日、あっさり再開した。これまで週1回程度の定例会見のほか、午前と午後の2回、立ったままのいわゆる「囲み取材」を受けていた。

   定例会見は市長として市政について、囲み取材は記者からの質問に答える形で国政や社会問題について自分自身の考えを述べていた。従軍慰安婦発言をめぐる報じ方への不満から、囲み取材の打ち切りを宣言したが、わずか3日で撤回した。

石原慎太郎共同代表からは「ツイッターやめろよ」

   橋下が囲み取材を再開の背景について、時事通信社の田崎史郎(時事通信解説委員)は「売り言葉に買い言葉でやめるといったものの、発信の場がなくなり、存在感を示す武器を失うということに気づいたのではないでしょうか」と見る。

   橋下はこのほか、100万人のフォロワーがいるといわれるツイッターでも個人的な見解を発信している。石原慎太郎共同代表から「やめるべき」といわれたようだが、橋下は今後も活用していきたいといっている。

   司会の小倉智昭は囲み復活について、「夫婦げんかして口なんかきくもんか、と思っても3日目ぐらいについしゃべってしまうのと似ている」

参院選控え市長もメディアも困る「発信できない」「情報とれない」

   コメンテーターの竹田圭吾(「ニューズウィーク日本版」編集主幹)は一連の騒動に関して、「(囲み取材の復活は)アメリカの事情に詳しい政策ブレーンのアドバイスではないでしょうか。橋下さんの(従軍慰安婦をめぐる)発言は歴史認識として極端にラジカルなことをいっているわけではないし、何か新しい視点を加えた内容でもない。

   参院選が迫っているという全体状況を考えたとき、橋下さんもメディアも発信する情報の内容を、消費税とか、憲法とか、政治に直結する部分に焦点を絞っていくのが政治家としての責任であり、メディアとしての責任ではないですかね」と双方に注文をつけた。

   宋美玄(産婦人科医)は「橋下さんはツイッターをうまく利用してきた。石原さんのいうことにはとらわれずに、これからもちょっと冷静にいい議論を巻き起こしてほしいですね」と話す。囲み再開、互いにほっとしているのではないか。