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新手のダイヤモンド詐欺!「山口県人限定。高額で買い取るので代理購入して」

   国民生活センターに今年(2013年)になって、新しい手口の詐欺相談が昨年の7倍も寄せられている。ダイヤモンド販売詐欺で、今年1月から急増し8月までに640件の相談があったという。

   100万円をだまし取られた山口県在住の70歳代の女性は悔しさをこう語る。「まさか自分が?と思った時には、1週間ぐらい食事もできませんでした。がまんしよう、がまんしようと・・・」

送られてきたのは1粒5000円のくずダイヤ

   被害女性によると、年金で夫と生活していたある日、ダイヤモンド販売業者からパンフレットが送られてきた。その直後、なぜかパンフレットが届いたことを知っている証券会社を名乗る男からこう持ち掛けられた。「(ダイヤは)山口県の人しか購入できないんです。代わりに買っていただけないでしょうか」

   この男のキメ台詞は、パンフレットに載っている50万円のダイヤを代わりに買ってもらえれば90万円で買い取るというのもだった。なぜ50万円の代物を倍近い金額で買い取るのか。山口県人だけしか買えないという「理由」に当然疑いを持つべきだった。ところが、男は穏やかな口調で詐欺ではないと主張し、何度も電話をよこし信用させたらしい。女性は「年寄りを抱えいまからいっぱいお金がかかることが多いから、お金は少しでもあったほうがいいという思いでそれに乗ってしまったんです」という。

   結局、女性はダイヤ2口分代金100万円を書留で送ったところ、届いたタイヤは粗悪品だった。証券会社を名乗る男とも連絡が取れなくなった。「モーニングバード!」が専門家に鑑定してもらったところ、送られてきたダイヤは「50万円?、5000円の間違いだと思います」という鑑定結果が返ってきた。

被害の大半が60歳以上の女性

   ダイヤモンドに目が眩んだわけではなく、買い取り金額に飛びついたのだろうが、詐欺に遭った人の9割以上が60歳以上で、うち8割が女性という。

   「これだけオレオレ詐欺などの手口が知れ渡っていても騙されてしまうのは何なのでしょう」と小松靖アナは首をかしげる。

   宮田佳代子(「サンデープロジェクト」元司会者)「常識の上を行く巧妙さがなければ、そうそう騙すことはできませんよ。時間と手間とかがかかっていると思いますね。誰もが疑うのを納得させる手法はなかなかね・・・」

   アベノミクスと歩調を合せたように被害が急増しているのは、自分にもおこぼれをとの思いからつい乗ってしまうのか。安倍首相の地元、山口県をあげるあたりは便乗心理を読んでいる。それにしても騙したほうが悪いのか、騙されたほうがバカなのか。詐欺被害が増えるなかでこの議論はつきない。