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「原発ゼロ反対」は自民党抵抗勢力?小泉元首相「私の郵政民営化よりやりやすい」

   小泉元首相は退任後、初めて報道陣を前に講演し、安倍首相に繰り返し「原発即時ゼロ」の決断を迫った。日本記者クラブで12日(2013年11月)に行われた講演はに集まった記者は350人、カメラマン入れると410人という盛況だった。

「総理が決断すれば反対できない」

「私の郵政民営化の比じゃないですよ。はるかに環境がいい。野党は全部、原発ゼロに賛成だ。原発ゼロ反対は自民党だけ。もし安倍首相が原発ゼロにすると決めれば、反対派はもう反対できなくなる。こんな運のいい首相はいない。総理の判断力、洞察力の問題だと思うが、いずれにしてもそういう方向に舵を切ってもらいたいなと思う」
「本音を探れば、自民党議員でも賛否半々だと私は思っている。いま安倍首相としては、いかに国民から与えられた権力を望ましい、あるべき姿に向って使うか。最終的には国民ですね。世論というのは無視できない。大きな底流となって根強い世論というものをどう読むかが政治家として大事だ」

   こう安倍に迫りながら、フインランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察した時のこんな話もした。

「10万年後の人間がオンカロに来て、『何だこれは?』と思い、はたして放っておいてくれるのか。現地ではいま10万年後の人間にこれを掘り出してはいけないと伝えるためにどういう文字を使ったらいいか考えている。われわれ400年前、500年前の文字も読めないのだから」

安倍内閣は年明けから原発再稼働本格化

   時事通信社の田崎史郎解説委員は、小泉の原発即時ゼロ発言は「何か思惑があってやっているのではなく、脱原発を今やらなければいけないという強い思いをそのまま述べられているのだと思う」という。安倍政権は小泉の「原発即時ゼロ」を受け入れる気配はない。田崎は「安定したエネルギーを提供しないといけない、原発という手段を放棄することはできないというのが、内閣の確固とした考えで、政権の方針変更には至らないと思う」と話す。

   キャスターの小倉智昭「原発がほぼ稼動していない状態で、世の中、普通の生活ができているのですがね~」

   田崎「安倍政権は来年前半にも原発再稼動をどんどん進め、前半には5~6か所の再稼動をやるつもりです。ただ、そのときには世論から批判を受けるでしょう。新聞社の最近の世論調査でも、再稼動反対のポイントが増えています」

   石破幹事長は「安倍内閣も原発は減らそうと言っており、小泉さんと考え方は違わない」と発言するなど、無視できなくなっている。