2024年 4月 20日 (土)

「小保方劇場」第3幕は法廷闘争!不服申し立て却下で懲戒解雇なら「無効訴訟」

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   これから4月9日は「小保方晴子記念日」と呼ばれることになるのではないか。そう思えるほど、きのう9日(2014年4月)午後1時からの会見は日本中の注目を集めた。

   私見だが、3時間近くにわたった会見の印象をひと言でいうと、「女はすごい」ということに尽きる。彼女に比べると、先に謝罪会見した佐村河内守氏など可愛らしくて抱きしめてやりたくなる。佐村河内氏も髪を切ったりひげを剃ったりして『好印象』をアピールしようと一生懸命だったが、気に入らない質問に声を荒立てるなど、腹が据わっていなかった。

   小保方晴子は違った。この日のためにシェイプアップしたかのように引き締まった(やつれた?)小顔。薄めの化粧に地味なスーツだが、その分、彼女の顔はテレビ映えする。髪はホテルの部屋に理容師を呼んでセットしてもらったそうだ。出陣前の身支度としては完璧である。

   最初の6分間に及ぶ謝罪は、事前に会見に来た報道陣には配られていたらしいが、原稿を読まずに話したのには『感動』させられた。彼女が話している間、私を含めた多くの男は「STAP細胞なんて嘘でも何でもいい。許しちゃう」、そう思って見つめていたのではないか。どうやら会場に来ていた大勢の報道陣も彼女の色香に当てられて、肝心要のことを聞かずに枝葉末節の質問に終始していた。

   彼女が説明責任を果たさなくてはいけなかったのは、「STAP細胞作りに成功したのか否か」であったはずである。そして、彼女は「STAP細胞作りには200回以上成功している」と断言したのである。いつでもどこでもとはいわなかったが、場所と設備があればやってみせるといい切ったのだ。

   そこを衝かずに、「週刊誌に不適切な関係があると書かれていますが」などというしょうもない質問をぶつけるだけで、彼女がいいよどむと、佐村河内のときのように、さっきそういったのに前言を翻すのかという突っ込みもなく、インタビューの常道である圧迫的な質問もほとんど出なかったのは、不甲斐なくて聞いちゃいられなかった。

   涙と笑いを振りまいたオボちゃんのショータイムは、肝心要の疑問は残されたまま、彼女の絶品の演技の余韻を残したまま幕を閉じてしまったのだ。

理研側の弱点「野放図なカネ」何百億円の税金使い切れず1000万円の高級イタリア家具

   きょう発売(4月10日)の『週刊新潮』も『週刊文春』も、小保方晴子「疑惑」を取り上げている。週刊文春の中で精神科医2人が小保方さんをこう評しているのが興味深い。2人とも小保方さんには会っていないので推測だがと断っている。

<「彼女には、自分は絶対に称賛を集めるんだ、という確信が若い段階からまず先にあって、そのためのひとつの手段としてSTAP細胞に飛びついたのではないでしょうか。ですから、悪気があって捏造したという意識はなく、STAP細胞ができたという錯覚に今も陥っているのではないでしょうか」(精神科医の香山リカ氏)
   「小保方さんは演技性パーソナリティの可能性が高いのではないか。彼女の研究倫理のなさが厳しく指弾されるなかで、昂然と不服申し立てをするという『理不尽なズレ』も、そう考えると説明がつく。研究も成果発表も反論会見も、全て彼女の自己演出の手段なのではないか。そういう意味では彼女に『作為』はあっても『悪意』はなかったように思います」(精神科医の熊木徹夫氏)>

   週刊文春では、小保方晴子さんの上司で理化学研究所CDB副センター長の笹井芳樹氏と、同じ理研で網膜再生医療開発プロジェクトリーダーを務める高橋政代氏が京都大学医学部で一緒で、高橋氏はマドンナで笹井氏が心を寄せていたのに、同じ大学の男子学生に彼女を奪われてしまったという「因縁話」を書いている。

   この男子学生が現在、京都大学でiPS細胞研究所教授の高橋淳氏だというのである。笹井氏は失恋の痛手から立ち直り猛勉強をして36歳の若さで教授まで上り詰めた。そしてES細胞を神経細胞に分化させることに成功し、ノーベル賞候補として脚光を浴びる。

   だが、その「栄誉」を山中伸弥・iPS細胞研究所長に奪われ、高橋氏もES細胞からiPS細胞に研究対象を切り替えたという。そうした失意のうちにあった笹井氏の前に現れたのが小保方晴子さんだったというのである。二人が親密だという噂はすでにあちこちで書かれているから、ここでは繰り返さない。

   週刊文春が批判しているのは、理研の杜撰なチェック体制と野放図なカネの使い方である。理研は独立行政法人だから、実質的には国の完全子会社のようなもので、黙っていても毎年何百億円ものカネが入ってくるのだそうだ。予算を消化するために1000万円もする高級イタリア家具を購入したり、妻を助手にして月給を50万円も払っているケースがあるという。

小保方晴子サイド反撃策!ネット動画で「STAP細胞製作」生中継

   気になるのは今後の展開である。記者会見にも二人の弁護士が出ていて、報道陣に睨みをきかせていたが、優秀な弁護士がついたからといって、小保方さんのいい分がすべて正しいというわけではない。基本的に弁護士は頼まれれば極悪人の弁護さえ引き受ける。小保方さんはそうではないが、かといって彼女のいい分が100%通るわけではない。

   週刊新潮がそのあたりのことを詳しく調べている。彼女の不服申し立てを調査委員会が妥当かどうか吟味し、妥当と判断すれば再調査が行われ、50日以内に結論を出さなければいけない。最終的に不正と認定されれば、最も重い処分は懲戒解雇。場合によっては、彼女の研究室に支給した研究費の返還を求めることもあり得ると理研の広報はいっている。不服申し立ての見通しは厳しいものになるだろうと近畿大学医学部講師の榎木英介氏がいっている。

   もし解雇されたら、弁護団は地位保全の仮処分申請などあらゆる措置を講じてくるだろうから、法廷闘争は避けられない。<「小保方さんは解雇の無効を求める裁判を起こすでしょう。その本訴に先立ち、まず『地位保全・賃金仮払い仮処分』を申し立てるのが通例です。この申し立てへの裁判所の判断ですら半年から1年くらいかかるかもしれません。しかし、1度、理研が解雇すれば、出社に及ばずとして研究室への入室は拒否され、入館証の返還などを要求するので、物理的に彼女は勤務できなくなる可能性が高い。その間、身分は宙に浮いたまま、外部から彼女は法廷闘争を続けることになる」(労働問題に詳しい山内一浩弁護士)>

   だが、法廷闘争で小保方さんが負けると決まったわけではないそうである。過去の判例から職場復帰した例もあるそうだ。

   日本中が注視した会見だったが、大山鳴動してネズミ一匹も出てこなかった。だが、彼女が身の潔白を証明する手段がなくなったわけではない。ニコニコ動画と手を組み、理研の研究所を占拠して、STAP細胞ができるまで生中継し続けることである。200回もつくった実績があり、レシピまであるというのだから、そう難しいことではあるまい。何週間、何か月かかっても、国民はあなたの成功する瞬間を待ち望んで寝ずに見守るに違いない。

   くれぐれもハイエナたちの写真集や映画出演などの甘い誘惑に負けないよう、ガンバってください。

やっぱり「暴妻」への慰謝料だった渡辺喜美の巨額借金!よくまあ取り戻せたもの…

   さて、小保方さんと比べては彼女に失礼だし、佐村河内氏以下といってもいいほど見苦しかったのが、渡辺喜美みんなの党代表の辞任劇である。追い詰められると、「秘書が、秘書が」「妻が、妻が」といって逃げるのが政治屋の常だが、この御仁は天下に鳴り響いた恐妻家だから、いい逃れにもなりはしなかった。

   週刊新潮で吉田嘉明DHC会長が8億円を渡辺代表に貸したことを明かし、見苦しいいい逃れをする渡辺代表に「辞任せよ」と迫ったとき、この欄で、私は先週こう書いた。「そこで週刊新潮はこういう穿った見方をしている。<先にも記したが、吉田会長の下にまゆみ夫人から『離婚メール』が届いたのは、会長が5億円を振り込んだ当日。渡辺代表から5億円の資金援助を求められたのは、その2日前だという。いや、まさか慰謝料を準備しようとした、なんてことはあるまいが>

   万が一、女房に離婚を迫られ、カネで歓心を買うために会長に無心したのであれば、会見で8億円の使途を聞かれ、「生きていく上で必要な諸々費用として使った」という渡辺代議士の説明も、それなりに合点がいくのだが」

   どうやらこれが図星らしいのだ。記者会見で渡辺代表はカネは手元にはない、私名義の個人口座ではなく妻の口座に一部を入れていたと「告白」し、吉田会長から借りた5億円のうち、党に半分を貸し付け、半分はまゆみ夫人の口座に移されていたことが明らかになった。5億円が振り込まれたのは二人が離婚の話し合いをしていた頃だから、夫人から慰謝料を払えと求められて、それに使ったのではないかと推測しているのだ。

   順を追うと、吉田氏から5億円が振り込まれたのが12年11月21日。その日にまゆみ夫人から吉田会長に「離婚することになりました」というメールが来る。週刊文春が渡辺夫妻の離婚問題についてスクープしたのが13年1月中旬。渡辺氏はこう話している。<「以前、夫婦喧嘩をした際に署名し妻に預けていたものを、選挙中に妻が勝手に提出したものです」>

   離婚届を提出したのに、また夫婦に戻っているのは不可解だが、夫人に頭の上がらない渡辺氏だから、土下座して復縁してもらったのかもしれない。だが、今回、党から返還された2億5000万円と夫人の口座にあった同額をそろえて吉田会長に返却しているのだが、よくあの夫人から取り戻せたものである。

振り込まれた2億5000万円一部でも使っていれば妻側に莫大な贈与税

   借りたカネを返し、代表を辞任したからといって事は収まらないと、週刊新潮は追及している。それは、夫人に振り込まれたカネのうち幾ばくかが使われた可能性があるからだ。ベテラン税理士がこう話している。

<「もし奥さんの口座に移された2億5000万円が、喜美さんから奥さんに『与えられた』ものと認定されれば、贈与となる可能性が出てくる。この額なら税率は50%ですから、奥さんは莫大な額を納めなければなりません。もっとも、この場合、2人とも、借り入れた金の保管先を変えただけと主張するはず。しかし、もし、奥さんがその金の一部を使ってしまったようなことがあれば、その分は夫から贈与されたものと認定されます」>

   正確に調べるには夫人の通帳を洗うことが不可欠だが、<「あの夫婦は完全な『主従関係』にある。家来が王様の許可なしに通帳提出を認めるなんて、初めから出来ない話なのです」>

   と、みんなの党の関係者が話している。夫婦の知人が「夫が辞めた上に、税金の問題まで出てきたら……。想像するだに恐ろしい」と語っているが、渡辺氏を夫人から守る警備体制が必要のようだ。政治家である前に一人前の男になりきれないこんな人間を選んだ選挙民も、猛省すべきであろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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